【中村京蔵連載企画】連載44回
「三島由紀夫からフェードルそしてNINAGAWAマクベス」
ーフェードル上演までの軌跡ー
爽涼の會「フェードル」公演は終わりました………
3年越しの企画は、たった2日で終わりました……
今は寂漠たる思いで茫然としております……
しかし、この連載もそろそろ幕を引かねばなりません……
気を取り直して️!
「NINAGAWA・マクベス」に倣って、
フェードルを和様式でやったことに付いて、
シェイクスピアとラシーヌでは演劇としての質が違うと
おっしゃる向きもあろうかと思いますが、
蜷川先生が「マクベスは只の夫婦愛の芝居じゃない!」とおっしゃるように、
フェードルも、継母の情念だけの芝居じゃないという方向性は、
私も演出の大河内さんも一緒なので、
そこには政争と更には神々の存在が絡んで来ますので、
スケール大きく、壮大な様式が必要で、
それには歌舞伎の時代物の様式がピタリと当て嵌まると踏んだわけです!
大道具から振り返ってみますと、
大河内さんの意向で壁も黒塗りにした高二重の御殿は正解だったと思います。
金襖の芙蓉の花の丸と縁先の手桶の芙蓉の花は、三島由紀夫へのリスペクトです。
手桶の芙蓉の花は、ラスト、フェードルの絶命とともに、
花弁がハラハラと散るようにしたかったのですが、
難しい仕掛けなので断念しました……
無念です!笑笑