【中村京蔵連載企画】連載47回
「三島由紀夫からフェードルそしてNINAGAWAマクベス」
ーフェードル上演までの軌跡
衣裳に付きまして。
フェードルは、まず冒頭は、瀕死の体ですから、
浅葱綸子5つ縫い紋の着付に、鼠萌葱地半幅織物帯を前で結び、
白精好地、墨絵の花車模様の打掛を羽織り、
白紗の被衣をベール代わりに致しました。
次のイポリット対面より口説きの場は、正装の緋綸子の着付に、唐織の打掛。
帯は丸グケの帯締めを使ういつもの文庫だと時代になり過ぎるので、
幅の狭い織物の丸帯を文庫に結び、帯締めは用いませんでした。
女役5人とも帯は同様です。
第2幕の冒頭は、私的に寛いでいる感じを出したかったので、
浅葱綸子の着付に藤色繻子地の被布を羽織り、ヴィーナスに祈る場面で、
白地精好の打掛に着替えました。 次のテゼ王に対面する場は、
再び正装の緋綸子に着替え、金地鳳凰柄織物の打掛とし、
ラスト自死の場は緋綸子の着付のまま帯を垂らし、落命後は、
パノープに白地の打掛を遺骸に掛けて貰いました。