今回は、12Vバッテリーレス充電システム 低価格版 について書きます。
12Vバッテリーレス充電システム 低価格版にも、Chariot SAMBAと同様に、以下のメリットがあります。
1.鉛蓄電池がないのでランニングコストが安い。 鉛蓄電池は数年で寿命を迎えるので、使える状態を維持するのはお金がかかります。
2.鉛蓄電池がないのでシステムが軽い。 33Ahの鉛蓄電池は13kg程の重さがあります。
3.12Vの鉛蓄電池の電圧ではなく、太陽電池の電圧から直接5Vに変換するので、太陽電池からの電力を直接利用する場合は電力効率が良い。
4.太陽電池とモバイルバッテリーからの協調充電が可能。 太陽電池からの電力が弱い場合でもモバイルバッテリーからの出力供給で補い、高速にUSB充電す。
5.スタンドアロンモードを搭載しているので、モバイルバッテリーが無くても、太陽電池のみでUSB出力します。
6.太陽電池が1枚の場合、逆電流防止ダイオードが不要。 そのため、ダイオードによる電圧降下がなく、電力ロスが小さい。 太陽電池が発電していない場合、2つのソースを逆にして直列接続された電界効果トランジスタが逆電流をカットします。
7.100%に近い時間協調充電システムに電源を供給する工夫。 いざというときに使える。そしてUSB充電対象が1台の場合にバッテリーの電源が切れていてもバッテリーを充電させられることがあるバッテリーたたき起こし機能 (日本で特許取得。)
8.スイッチの切り替えにより、ACアダプタと太陽電池による協調充電をします。 なので、屋内での使用も可能です。
つまりキャパシタを多く使用するハイキャパシタ設計以外は、そのまま12Vバッテリーレス充電システム 低価格版にもあてはまるのです。 違いは、キャパシタのみとなります。 キャパシタの違いをもう少し詳しく見てみましょう。
1.電気二重層キャパシタの種類を最高級品から中級品に変えています。 そのため、若干リーク電流が増え、バッテリーたたき起こしの待ち受け時間がKickstarterオリジナル版に比べ半分程度になります。 12Vバッテリーレス充電システム 低価格版 のバッテリーたたき起こしの待ち受け時間は24時間程度です。 Chariot SAMBAも24時間ですが、Chariot SAMBAは電気二重層キャパシタに最高級品を採用しているものの、Chariot SAMBAの場合、電気二重層キャパシタに蓄えられた電力で動かさなくてはいけない素子数が多いので、Kickstarterオリジナル版に比べ半分の24時間になっています。 最高級品は1,000円するのに対し、中級品は400円です。
2.電解コンデンサが3つになっています。 Kickstarterオリジナル版では5つでした。 Chariot SAMBAでは7つです。 Kickstarterオリジナル版に比べて減った電解コンデンサが2つは、太陽電池からの入力部分、DCDCコンバータの入力部分に取り付けられていました。 Chariot SAMBAに比べて減った電解コンデンサは、それに加えてDCDCコンバータの出力部分1つ、モバイルバッテリーからの入力部分に取り付けられていたものです。 太陽電池からの入力部分、DCDCコンバータの入力部分に取り付けられた電解コンデンサは、Kickstarterオリジナル版の応用編、Chariot SAMBAにおいて、独立電源システムを構築する際に、入力電圧が16.5Vになる際に、動作を安定させるのに使っていました。 12Vバッテリーレス充電システム 低価格版では、独立電源システムの構築は非推奨で、独立電源システムの構築すると、不安定になったり、モバイルバッテリーへの充電が遅くなったりします。 他の電解コンデンサの違いは、安定性に若干の影響を与えます。
3.セラミックコンデンサがなくなっています。 出力ノイズを2021年Kickstarterオリジナル版(赤)、12Vバッテリーレス充電システム低価格版(黄色)で比べてみましたが、特に目立った違いはありませんでした。
縦軸1目盛り200mVです。
縦軸1目盛り20mVに拡大しました。
これは、残った最低限の電解コンデンサが働いているためです。
12Vバッテリーレス充電システム 低価格版 は、削れるものは限界まで削って、低価格化しています。 そして、たまたまあった基板工場のキャンペーンを使って安く作っています。 売り切れたら次は作らないので、ご支援はお早めにお願いします。