皆さんこんにちは!
みなとシティバレエ団の中宮晴花です☺︎
先日無事に埼玉県にある坂戸ろう学園での訪問公演を終えました。
今日は私がこの公演に向けて考えていたこと、公演を終えての心情を率直に書いてみようと思います。
実は学校への訪問公演にキャスティングされていたことは聞いていたものの、ろう学生に向けての公演だと知ったのは本番の1週間程前でした。
ろう学生に向けてのバレエのパフォーマンスは私自身聞いたことがなく、恥ずかしながら考えたこともありませんでした。音楽が聞こえないからと、習い事としてのバレエや芸術鑑賞と敬遠されていた実情を知り、非常に悲しくやるせない気持ちになりました。と同時に、残された短い期間でどうすれば音楽の聴こえないろう学生の皆さんにもバレエを楽しんでいただけるのかを考えました。
華やかな衣装、バレエ団からの持ち込みの照明だけでも非現実的な空間を演出することは出来るかもしれませんが、私たちは声を発さないバレエだからこそ出来る、踊りから会話や音楽が聞こえてくるような作品作りを目指しました。
リハーサルを見てくれたミストレスからは特に「表情」について注意をいただきました。私たちの表情や仕草でどんなシーンなのか、単純な喜怒哀楽だけではなく、自分や周りのダンサーがどんなことを考えているシーンなのか音楽が聴こえない、聴こえにくい皆さんにも伝わるようにより想いを込めて演じました。
今回上演した「コッペリア」はマイムも多く、比較的分かりやすい作品。
作品上演前にマイムのクイズをしたり、作品の解説がされたことで、楽しみ、親しみを持って作品を観ていただけたのではないかと思います。
今回の訪問公演で私が特に印象的だったのは「拍手のタイミング」です。
手話での拍手は、両手を上に上げ、手首を回転させてひらひら動かすので手を叩く音は出ません。でもスワニルダの友人が踊るスラブの踊りの途中で拍手が!!
殆どの人が耳が聴こえない環境で、拍手のタイミングが合ったこと、またそれが最後のポーズでは無かったこと。
ポジティブに捉えすぎかもしれませんが、観てくださった皆さんの心が動かされて出た拍手なのだとしたら、これより嬉しいことはありません。
私にとって、またろう学生の皆さんの前でのパフォーマンスを実現したい、と強く願ったきっかけのひとつとなりました。学びの多い、非常に勉強となる機会に恵まれたことに感謝しています。
今回は情勢下もあり残念ながら上演後に感想を共有したり、コミニケーションを取る時間はありませんでしたが、どんな風に見えていたのか、感じたのか、いつか聞ける日が来ると良いなあと思います。
現在私たちは、
【第二期】児童養護施設で暮らす子どもたちに訪問バレエ公演をプレゼントしたい
クラウドファンディングを行っております。
https://camp-fire.jp/projects/view/640367
今週末に神奈川県藤沢市に拠点を置く児童養護施設「聖園こどもの家」さまの元へバレエを届けにまいります。
2年前はオンライン公演で画面越しにご鑑賞いただいた「くるみ割り人形」を、今回はやっと直接お届けすることが叶いました。
コミュニティメンバーの皆さん、そして日頃よりバレエ団を応援してくださる皆さんのサポートがあり、継続して活動が出来ているのだと実感しております。
日本各地にある児童養護施設やろう学生の皆さんが通っている特別支援学校、中々芸術鑑賞に恵まれない子どもたちにも更にバレエをお届けしたいと思っております。個人的には関東圏にある他のろう学校にも訪問公演が出来れば嬉しいです!
引き続き精一杯頑張って参りますので、応援のほどどうぞ宜しくお願いいたします。
中宮晴花