バグ取りや細かい改良を除き、前回から大きな進展はありませんが、組み込みの完了した一部機能を用いて、新幹線(N700系)のシミュレーションを比較的低解像度で実施しました。 上の画像は、そのシミュレーション途中の可視化結果であり、物体表面の色は圧力(~抵抗)を示しています。また、少しですが、流線も挿入しています。この新幹線の形状は、googleで検索したN700系の複数の写真をトレースする形でペイントでビットマップ画像にし、Flowsquareへその複数のペイント画像を読み込むことで構築しています。CADソフト・関連技能無しでも、Flowsquare+を用いれば、このくらいの3次元形状モデルであれば比較的簡単に作成することができます。 Core i5のWindows Surface Proを用い、上記の結果はおよそ10分程度のシミュレーション時間で得ることができます。 組み込み未完了の機能を始め、まだ多くの改善の余地があります。今後の開発のリソースのため、皆様のサポートやTwitterなどでの口コミ等、よろしくお願いします。
支援や応援のコメント等ありがとうございます。本プロジェクトでは、All-or-Nothingのファンディングタイプを選んでおり、皆様の支援を開発費に充てるにはプロジェクトの目標を達成する必要があります。本日で目標達成まで49%のサポートが集まっており、ちょうど折り返し地点です。 ところで、本日は、本プロジェクトで開発する3次元流体シミュレーション・ソフトウェア(Flowsquare+)の開発に携わる2名について、Nora Scientificのホームページには記載のない情報について書きたいと思います。2名とは、私ミナモトとコナカです。我々は、大学学部課程を同じ学科で卒業した同期です(本当は、私は早期卒業によって1年早く卒業したので卒業年は異なりますが)。二人とも、自転車(ロードバイク)に乗ることが趣味で、週末の1日は、大抵二人でコーディングをするか自転車に乗るかしています。 私は、過去10年近くにわたり、純粋乱流や反応性乱流に関する数値的・実験的基礎研究を行ってきました。特に、一切の流れ場に関するモデルを用いず、現象の支配方程式を高精度数値計算手法を用いて解く、直接数値計算とよばれるシミュレーション手法を用いた研究を行っています。この直接数値計算は、一般的な流体シミュレーションに比べ、はるかに高精度なシミュレーションが可能ですが、計算コストが非常に大きく、数cm四方の3次元領域の計算においても大規模並列計算を行う必要があります。Flowsquare+では、簡単なユーザーインターフェースに加え、これらの知見を用い、精度とコストのバランスの最適化も行っています。 一方、コナカは、流体とは直接縁のない分野ですが、過去10年近くに渡り、コンピュータ・サイエンスの領域の様々な分野で活躍しています。彼の数値計算や最適化、並列計算プログラミングに関する高度な技能により、Flowsquare+は既にオリジナルカーネルの10倍近くの計算速度向上を達成しています。これは、現時点でのプランですが、将来的なアップデートで、GPGPUなどによるさらなる高速化の実施について議論しています。 Flowsquare+は、このように流体とコンピュータ分野の2領域の人間の協力体制により、初心者でも扱いやすく、導入が簡単で、計算コストも比較的安価なインターフェースを実現する予定です。 今後とも、ご支援・ご声援よろしくお願いいたします。
プロジェクトページにはあまり詳しく書きませんでしたが、一般的に流体シミュレーションと呼ばれる数値流体力学(Computational Fluid Dynamics; CFD)は、今後ますます活用されていくと考えられています。 この理由に、計算機の性能向上が挙げられます。近年の個人用パソコンは数十年前のスーパーコンピューターと同程度の性能を有しており、これは、十分高速化が実装されたCFDソフトであれば、普通のパソコン上でシミュレーションできるような性能です。 一方、現在市販されている一般的なCFDソフトは、中規模~大規模の並列計算機での利用を想定されています。より多くのCPUを用いる並列計算機の利用を想定したソフトウェアは、計算速度の向上に最適ですが、教育・トレーニング用途や小規模スケールの解析には不向きです。その上、近年では一般的なノートパソコンでさえも4並列・8並列程度の並列化は可能であり、十分な高速化・最適化を実装すれば、普通のノートパソコンでの実用スケールの流体シミュレーションを実行することは可能です。 本Flowsquare+では、このようなコンセプトで、カーネル・コードの最適化を行っており、これは、初心者にもやさしいインターフェースと共に、ユーザーにとって使いやすいソフトウェアであるための根幹を担っていく予定です。
まだ、サポーターは募集中ですが、ユーザーインターフェース開発を徐々に進めています。現在は、シミュレーション領域のモデル化に関する画像処理や出願中特許技術に関する2次元画像からの3次元化などに取り組んでいます。上の画像は、そのような機能の一部開発状況です。 従来の流体シミュレーションソフトウェアのように専門性を有する処理をユーザー任せにすることなく、シンプルで直観的なユーザーインターフェースで3次元シミュレーションを実行できるように、開発を進めていますので、皆様のサポートをよろしくお願いいたします。