「殺処分ゼロへの挑戦:2024年の犬猫との絆」
犬猫共生ファシリティのクラウドファンディングでご支援をいただき、施設の修繕に着手することができました。しかし、再見積もりの結果、設備工事の予算が大幅に超過したため断念し、建物の修繕に切り替えました。築40年以上、10年以上人が住んでいなかったこの建物は、自然環境下で想像以上に劣化しており、土台から腐食している深刻な状態でした。腐った根太、畳、大引き、壁など、大規模な交換と補修が必要となり、撤去作業も非常に困難でした。特に、土壁が作業の大きな障壁となりました。私自身、土壁の取り扱い経験がなく、広範囲にわたりトン単位の残材が出てきました。自然素材であるため、廃棄は土に戻すだけですが、心材に大量の竹や葦が使われていたため、分別作業も非常に難しく、残材の撤去だけで3ヶ月以上かかりました。
土台の撤去と交換、柱の補修を行う中で、実際には建て替えた方が良いと判断できるほどの状態でしたが、予算の都合上、手間をかけるしかありませんでした。それでも、ジャッキUPで躯体を持ち上げ、土台や柱を地道に交換し、何とか作業を進めました。躯体が整った後は、得意分野である新設工事に取りかかり、土間を整地し、防湿シートを敷き、調湿剤をまきました。檜の大引きの断熱のためにはスタイルフォーを大引き間に設置し、サブフロアには24mmの構造用合板を貼り、ようやく通常の作業現場になりました。
以前、見学した施設で火災のリスクについて不安を感じていたことを思い出し、一般的な在来工法の住宅では壁の中をトンネル状に火が燃え上がる現象があるため、ファイヤーストップを施し、壁は燃えないプラスターボードで仕上げました。最終的には、燃えない素材の漆喰の壁と難燃性の床材を使用しています。
天井は既存の梁が程よく太かったため、そのまま流用しました。しかし、40年の埃や虫の死骸、野生動物の残骸が見つかり、さらに何故か小屋裏には衣類や布団が置かれていました。これらを撤去し清掃するのは大変でした。布団があったことから、もしかして以前は人が住んでいたのかと考えました。虫や動物たちと共に暗闇の中での作業は、正直に言って怖かったです。天井を撤去したことで、最も高いところで4メートルを超える開放的な吹き抜け天井となり、将来的にはキャットウォークを縦横無尽に張り巡らしたいと思います。現時点では、16帖プラス4帖の小ロフトを含む猫広場のスペースになっています。
若干の猫遊具を自作し、既製のキャットタワーを設置した後、地域の保健所の方に確認していただきました。保健所とは以前からイベント等で協力関係にあり、合同で譲渡会を開催したり、『いぬのきもち』の取材や様々なイベントでご協力いただきました。昨年は、保健所犬猫応援団の駅前イベントで市の後援も受けました。
「保健所でも譲渡者がどうしても見つからない犬猫が存在するため、収容の協力をお願いしたいのですが、長期的に犬猫共生ファシリティに依頼するには、現在の気象状況や感染症対策を考慮する必要があります。具体的には、体調管理のため一定の室温を保ち、感染対策として換気システムを備えることが不可欠です。」というお話しでした。
ただし、ミルクボランティアや短期の預かりにおいて、現在依頼している保護団体がキャパシティを超えた場合には、協力をお願いしたいということになっています。ただ、私の年齢を考えると、永続的な管理者が必要という条件もあり、これが今後の課題となります。
その後、空調室は猫広場と同様の作業工程で進めていましたが、今年の猛暑と作業の負担から体調を崩し、ドクターストップにより作業を中断せざるを得ませんでした。事務作業や会計をまとめながら、気づいていたものの、大切なご支援でいただいた工事予算が底をつき、活動費に充てていた会社からの借り入れも同様に尽きてしまい、資金の確保が重大な課題となりました。とりあえず、早期の年金支給の手続きを進め、少額ですが若干の手当てが得られるようになりました。家の生活面では、家族の協力で食事などを賄っています。
幸運と言えるのかもしれませんが、裁判員裁判に選ばれて手当てを受け取ることができ、資金問題はもちろん解消されませんでしたが、愛犬ジャックとの生前の約束、「余裕ができたら一緒に旅に行こうね」というその言葉を、ついに叶えることができました。私たちは車中泊をし、コンビニやスーパーで食品を調達しながら、最小限の予算で1,400キロ恐山への旅を果たしたのです。その道中、ジャックの存在がどれほど大きな支えだったことか。ジャックと歩んだこの旅は、困難の中でも希望を見つけ出すことの美しさを教えてくれました。
実際に、資金的なよりどころと考えていたワンニャンモニュメントも需要がないため、諦めかけていました。しかし、旅の少し前に、保健所犬猫応援団の活動の一環として郡山市のビッグパレットで行われたイベントに参加した際、諦めかけていたモニュメントに対して予想以上の反応を得ました。実はもう受注を辞めようと思っていたので、その反応に丁重にお断りしてしまいました。その経験はたまたまかと思っていましたが、モニュメントとジャックとの旅の途中でも、訪れる場所ごとに皆さんの反応が良く、「生きてるかと思った!」や「私も作ってもらいたい!」といった声が聞かれました。実物を見ていただいた時の反応が非常に良く、今、この制作を諦めなくても良いのではないかと強く感じました。
そして、もう一度、チャンスを!この心からの叫びとともに、この年末に再びクラウドファンディングに挑戦させていただきました。
大変長くなりましたが、最後までお読みいただいたこと、心から感謝申し上げます。
犬猫共生ファシリティの実現に向けて共に歩みを進めましょう!
皆さまの温かいご支援のおかげで、犬猫共生ファシリティの夢は着実に形になりつつあります。数々の困難に直面しながらも、皆さまからのご支援や愛犬ジャックとのかけがえのない時間が、私に力を与えてくれました。
このプロジェクトは、単なる施設の修繕や新設にとどまらず、犬猫たちにとっての新たな生活の場であり、また地域コミュニティの絆を深める場所でもあります。私たちの活動が、動物愛護の心を育み、多くの命を救う一助となることを信じております。
今後も、皆さまのご協力のもと、更なる挑戦を続けていきます。どうか、この年末のクラウドファンディングにもご参加いただき、ワンニャンモニュメントやその他のリターンを通じて、私たちの取り組みにご一緒に参加してください。皆さまのご支援が、このプロジェクトを現実のものにし、犬猫たちの未来を明るく照らしてくれると確信しています。
再び、心からの感謝を申し上げると共に、皆さまのご健康とご多幸を祈念して、年末のご挨拶とさせていただきます。
良いお年をお迎えください。