クランパ先端移動距離25mmで13万回以上(133,043回)OKを確認し、第2回試作器としては試験を終了し、押圧の変化無しも確認しました。
【耐久性能の評価について】
耐久性能に関してどの様に扱うべきか検討する上で、ピンセットの耐久性能を参考にしようと調査したところ、ピンセットに関するJIS規格は見当たりませんでした。
ただ一つ、「JIST5401 歯科用ピンセット-一般的要求事項」が有りましたが、耐久性能に関する記述は有りません。
市販の各ピンセットメーカのカタログを見ても「高耐久性」と謳ってはいますが、定量的に「開閉可能回数」という様な数値を示したものは見つかりません。
開閉範囲が弾性限界内であれば殆ど無限界という事かもしれません。
今回の耐久試験では70~80回/分の速度の開閉でしたが、屈曲部に熱が発生する訳でもなく、押圧(弾性率)も変化せず、いつまで試験を行なっても破壊に到る感じは有りませんでした。
途中、約12万回(約29時間)で、装置に使用した玩具の四駆用モータのブラシが焼損して止まるという事が起き、SMDクランプでなく寧ろ耐久試験器の耐久試験になった観がある程です。
また、SMDクランプの使用頻度はユーザによって全く異なるので、寿命は何年間、という事はできません。
一例として、電子回路開発屋さんが表面実装部品50個を含む基板を手半田で年30台試作する場合、1年間のSMDクランプの開閉回数は、
50個/台 x 2回/個 x 30台/年 = 3,000回/年
であり、40年間では12万回です。
言い換えれば、今回の開閉試験回数13万回だけでも、その人には現役の間ずっと使える、一生モノのツールと言えそうです。
結論として、SMDクランプとしては対応可能な最大部品高さ12mm(仕様)を守り、弾性限界内を越える程アームを無理矢理開いたり、足で踏みつける等無理な破壊力を与えない限り半永久的に使用できそうであり、ピンセットに準じて仕様に開閉回数は謳わない、ものとします。
(2018/4/8)