SMDクランプ(150mmアーム)PX1810の製品版が完成しました。 パトロンの皆様には本日リターンをお送り致しました。 製品はプロエクシィ SMDクランプのページ とアマゾン社で近日発売する予定です。 大変有用なツールに仕上がりましたので、表面実装部品のはんだ付けに携わられる方は是非一度ご使用をご検討下さい。 これでプロジェクトは終了します。 有り難うございました。 以上。
第3回試作を完了し、製品製作を開始しました。 型式を「PX1810」に決定し、正式名を「SMDクランプ(150mmアーム)PX1810」 としました。 パトロンの皆様へのSMDクランプ(150mmアーム)PX1810発送は5/28の予定です。 以下が第3回試作での主な検証ポイントです。 ①最終形状での使い勝手確認 結果は押圧も含め「OK」でした。 ②クランパへの映り込み防止対策の効果確認 結果は「OK」でした。 ③耐久試験 31.1万回「OK」を確認しました。(部品高さ17mm想定) 外観、押圧の変化無しを以て耐久試験を終了しました。 活動ご報告は今回を以て最終とさせて頂きます。 今後はSMDクランプ(150mmアーム)PX1810を製品の一つとして (有)プロエクシィのホームページに掲載しますので是非ご覧下さい。 ご支援有り難うございました。
クランパ(部品押さえ部)は本SMDクランプの使い勝手を左右する部分です。 特に何も考えず、何も処置せずに製品化しても使えない事はなく、その分安価に製作できます。 しかし、より良い使い勝手を追求すると、製作する上ではかなり手間が掛かり、治具も必要になります。 板金屋さん泣かせともいえる点ですが、折角新たに開発するのだから、この点については大いにこだわる処です。 現在追求しているのは、①クランパへのはんだ付け対象部品の映り込み防止②クランパ先端を薄くするの2点です。 ①はステンレス表面の美しい鏡の様な光反射面がアダとなり、そのままでは部品がクランパ先端に映り込んではんだ付け作業がし難くなるので、これを如何に防止するか、がかなり難題でした。 方法としては色々考えられますが、何れも使い勝手、コスト(製作の手間、所要設備等)のトレードオフが必要で、最終的には、クランパに細かい多数の波線を刻印する事になりました。 現在その為の刻印用治具の製作を始めています。 工期が余分に2週間程掛かりますが、悔いの残らない方法として決定しました。 ②は1608サイズのチップ抵抗の様な小さな部品をクランプするには、クランパ先端をステンレス材料の板厚0.8mmのままにしておくと押さえる箇所に狙いを定め難いので、先端を薄くする仕様としました。 これもSMDクランプを製品として製作する立場からはかなり難題の様です。 本来ならその為のプレス用型を作るか、アームとクランパを別部品として製作し、最後に溶接する等としたいとの事です。 しかし、少量生産ではコスト的に困難です。 最終的には最終調整作業としてクランパ先端を手作業で研磨して頂く事になりました。 板金屋さんに泣いて頂く事になりましたが、その分使い勝手は良くなる筈です。 ご期待下さい。 以上
SMDクランプ(150mmアーム)のクランパ先端には、長軸1.0mm×短軸0.6mmの半楕円の溝(切り欠き)を設け、1608サイズのチップ抵抗やコンデンサ、Φ0.25(AWG30)等の単線等をクランプし易くしています。 クランパ先端をユーザ用途に合わせてカスタマイズするには、ステンレスを削る必要があります。 その場合、もし失敗したら元に戻せないリスクが伴いますので、あくまでもユーザ責任で行なって頂く必要があります。 オリジナルは加工せずにそのままで、クランパをカスタマイズする方法を以下に一例としてご紹介します。 【手順】 ①ガラスエポキシ等の基板の端材を、先端がクランパ先端より少し突出する程度に切り出し、所要の形状に加工してアダプタとします。 (加工性、耐熱性、入手性の点でガラスエポキシが最適と考えます) ②熱収縮チューブを用いてクランパ裏面側に固定します。 これだけです。簡単ですね。 ▼アダプタをクランパに熱収縮チューブ(透明なので判り難いかも?)で固定し、Φ0.25(AWG30)単線をクランプした様子 ▼熱収縮チューブと一緒にアダプタをクランパから外した様子 余談ですが、SMDクランプの押圧測定も、同じ要領で長めの棒状アダプタを作り、透明熱収縮チューブでクランパに固定した物で以下の様に行ないました。 ▼押圧測定用アダプタ ▼押圧測定の様子 (2018/4/15)
クランパ先端移動距離25mmで13万回以上(133,043回)OKを確認し、第2回試作器としては試験を終了し、押圧の変化無しも確認しました。 【耐久性能の評価について】 耐久性能に関してどの様に扱うべきか検討する上で、ピンセットの耐久性能を参考にしようと調査したところ、ピンセットに関するJIS規格は見当たりませんでした。 ただ一つ、「JIST5401 歯科用ピンセット-一般的要求事項」が有りましたが、耐久性能に関する記述は有りません。 市販の各ピンセットメーカのカタログを見ても「高耐久性」と謳ってはいますが、定量的に「開閉可能回数」という様な数値を示したものは見つかりません。 開閉範囲が弾性限界内であれば殆ど無限界という事かもしれません。 今回の耐久試験では70~80回/分の速度の開閉でしたが、屈曲部に熱が発生する訳でもなく、押圧(弾性率)も変化せず、いつまで試験を行なっても破壊に到る感じは有りませんでした。 途中、約12万回(約29時間)で、装置に使用した玩具の四駆用モータのブラシが焼損して止まるという事が起き、SMDクランプでなく寧ろ耐久試験器の耐久試験になった観がある程です。 また、SMDクランプの使用頻度はユーザによって全く異なるので、寿命は何年間、という事はできません。 一例として、電子回路開発屋さんが表面実装部品50個を含む基板を手半田で年30台試作する場合、1年間のSMDクランプの開閉回数は、 50個/台 x 2回/個 x 30台/年 = 3,000回/年 であり、40年間では12万回です。 言い換えれば、今回の開閉試験回数13万回だけでも、その人には現役の間ずっと使える、一生モノのツールと言えそうです。 結論として、SMDクランプとしては対応可能な最大部品高さ12mm(仕様)を守り、弾性限界内を越える程アームを無理矢理開いたり、足で踏みつける等無理な破壊力を与えない限り半永久的に使用できそうであり、ピンセットに準じて仕様に開閉回数は謳わない、ものとします。 (2018/4/8)