ご無沙汰しております。9月末からインフルエンザに感染ししばらく寝込んでいましたが、その後、地区の祭りの会議なども続き、なかなかパトロールに出れていませんでした。 昨晩は2週間ぶりのパトロール。気温は24度。湿度77%とすっかり涼しくなりました。カニやカエルはだいぶ少なくなりましたが、リュウキュウコノハズクがよく道路を横切ります。繁殖期は夏なのになぜコノハズクは涼しくなるのと道路に出てくるのか、野鳥研究会に問い合わせたことがあるのですが、どうも餌となる昆虫が少なくなるので、見通しが良い道路に集まってくるのではないかとのことでした。実際、パトロール中、道路上のツユムシやクツワムシめがけてコノハズクが飛び込んでくることが良くあります。 写真は美田良のヤギ。車道にはみ出して寝ていますが、逃げるそぶりも見せません。西表島はあちこちでヤギが飼われていますが、このようにちょっと道路にはみ出していることもありますので、観光客の皆さんは気を付けてください。たまに牛もいます・・・。
昨晩は十三夜。きれいな月に見守られながらのパトロールでした。9月前半の中、大潮まではベンケイガニ、オカガニの路上出没が多かったですが、いよいよカニも減ってきました。カエルも少なく静かなパトロールでした。 県道の除草作業はぐんぐん進んでいます。先行する油圧ショベルが道路わきの灌木を倒してき、その後を草刈り機(西表島ではビーバーと呼びます)が刈り進んでいくのですが、その美しい仕上げぶりにはいつもながら感心してしまいます。試験的に行われているという防草テープについてはちょっともうダメかもという感じになっていましたが、また違う方法を試してみるとのことです。沖縄県には引き続き頑張っていただきたいです。 また、7月に実施した西表小学校で設置したトレイルカメラですが、撮影データを確認したところ、リュウキュウアカショウビン、リュウキュウコノハズク、リュウキュウキンバト、リュウキュウイノシシ、オサハシブトガラス、シロハラクイナ、クマネズミなどの生物が撮影できたものの、イリオモテヤマネコは写っていませんでした。そこで担当の江郷下先生と相談して、カメラの延長設置が決定しました。今度は冬まで仕掛ける予定です。 画像右上に自動撮影カメラ。だんだん、生徒たちが仕掛けたいという場所の難易度が上がってきているように思います。ヤマネコを撮るのであれば、できるだけ広範囲が写る場所に水平に掛けた方が手っ取り早い訳ですが、やっぱり生徒たちが「ここだ」と思う場所にかけてもらうのが一番だと思っています。今度は長い期間かけるのできっと写ってくれるでしょう。 そしていつも思うのですが、学校という地域コミュニティの中心ともいえる施設の敷地内にネコ科の野生生物がやってくる。しかもその撮影に生徒たちとチャレンジできるというのは、なんと豊かな環境でしょう。この環境がいつまでも残ってくれることを願っています。高山
9月24日、西部地区でのパトロール。交通量は3時間で38台でしたが、そのうち11台がレンタカー。月曜も休みにして来島している観光客の方が多かったのでしょうか。あるいは、工事や調査などで泊りで来ている方たちなのか。レンタカーがやや多めの夜でした。 乾燥していることもあり、生物の気配は少なかったですが、浦内~干立間ではサキシマスジオの幼蛇が轢かれてしまっていました。全長2m近くなる大型のヘビですが、交通事故や販売目的の乱獲などの影響もあり個体数減少が危惧されています。何年か前のTV番組でこのサキシマスジオなどの爬虫類、両生類を捕獲する業者の様子を取材して1匹いくらなどと放送して炎上したことも記憶に新しいですね。最近はあまり大型の個体を見なくなったような気もしますし、できればそっとしておいてあげてほしいです。 また、浦内~干立間(稲葉林道近く)では、久しぶりにイリオモテヤマネコを目撃しました。恐らく亜成獣と思われる大きさでした。車との距離が200mくらいの段階から忌避行動をとっていたので、車への警戒心はある個体のようでしたが、一応、音を立てるなどの追い払いをしておきました。ただ、ヤマネコの写真はありません。私のインスタを見てくれている方ならお気づきかもしれませんが、私はヤマネコの写真を意図的にあまり撮らないようにしています。パトロールで使っているカメラのレンズも広角の単焦点で、ズームや望遠は使っていません。 意図的に撮れないようにしているんですよね。これは、仕事として追い返すのが先というがありますし、路上に出ているヤマネコの動画、写真を拡散して、観光客の好奇心をむやみに煽りたくないという気持ちからでもあります。この感覚はあまり理解されませんが・・・ 先週あたりから沖縄県による県道の除草作業が始まりました。これでしばらく草刈りをしなくて済むとホッとしています。また、場所によっては防草シートを貼り付けるなどの試験も始まっているようなので、どんな様子か今日にでも見に行ってみます。これまでいろいろな会議で何度も議論になっていた県道の草対策、ようやくこれでちょっと前進した訳ですが、街路樹が根を張りすぎて歩道や縁石を砕いている場所も結構あるので、個人的にはもう道路の部分的な再改修をした方がいいと思っています。
すっかり秋めいてきた西表島。夜間の気温も26~8℃程度で過ごしやすくなりました。夜間パトロールについては変わらず出ています。比較的静かでこれといってご報告することもなく静かな毎日が続いていました先週~今週は中~大潮だったこともありパトロール中はカニの仲間がたくさん路上に出ていました。 写真はアーラ付近のコンクリート壁を登るベンケイガニ。カニの仲間はエラ呼吸ですが、ベンケイガニは体の中にある水分を目の脇の穴から出して体表を伝わせ、足の付け根から体内にもう一度取り込み、また目の横から出すことによって、水を循環させ酸素を体内に取り込んでいます。そうすることによって、乾燥を防ぎ、呼吸もしているんですね。面白いことに水が伝うところはヤスリのように無数の突起があり、表面積を増やすことでより効率的に酸素を取り込むようになっています。 普通種といわれるありふれたカニですが、よくよく観察すると非常に面白い生態をしています。 イリオモテヤマネコについては、野原~美原で散発的に出ていますが、以前のように1日に何度も路上に出てくるという状況は収まっています。それほどの人出でもなかったように感じましたが、とりあえず無事故で連休が終わってほっとしています。このまま9月が終わってくれれば良いですが・・・・。
こんにちは。やまねこパトロールの高山です。久しぶりの活動報告になります。月頭の台風後もパトロールに出ていましたが、夏休みが終わり交通量が落ち着いたこと、また特に危険なヤマネコの路上出没もなかったこともあり、カエルやカニの死骸を片付けるだけの比較的静かな毎日でした。 昨晩は久しぶりに注意喚起活動をしました。前良川の東西で昼間に親子のヤマネコが路上にでているという情報提供があったためです。イリオモテヤマネコは水を恐れず川も泳ぎますが、子育て中の親は流石に川には入りません。恐らく橋を利用して川の東西を行き来しているのでしょう。橋を挟んで東西300Ⅿ程度の範囲に看板、旗を立てました。環境省の皆さんも来てくれるという連絡があったので、このクラウドファンディングでのご支援で新調したのぼりもたくさん持っていきました。 これだけ人とのぼりが立つとなかなか迫力があります。皆さんしっかり減速してくださっていましたし、通りかかった古見の知り合いからも目撃情報の提供もありました。ひょっとしたら、地域の方からお𠮟りを受けるかもとビクビクしながら始めた注意喚起活動ですが、通りかかった方から「がんばれよー」「おつかれさまー」などと、声をかけていただくことも増えました。本当にありがたいことです。この活動の継続から、ヤマネコの路上出没が続いた時に、住民や観光客が優しく見守るような雰囲気(見に行くということではない) が島に根付いていけばと思っています。のぼりと併せて購入予定のLED看板ですが、ただ今準備中です。前回はとにかく明るく目立つ色をと白にしましたが、別の色も検討しています。今しばらくお待ちください。