先日、看護学校を受験する予定だったひとり親家庭のお母さんが、今年度の受験を断念されました。
非常に残念です。10月初旬に社会人枠に受験予定でしたので、1か月という短い期間でお互い必死で頑張ってきたにもかかわらずです。
子育てやお仕事もあり大変な中、非常によく学習されました。このまま勉強を続けていればおそらくこの方は合格したでしょう。
そんなお母さんが受験を断念された原因は
看護学校の【入学金】でした。
正看護学校の場合30万円~50万円ほど入学金や教科書・服の代金等がかかります。
それがひとり親家庭のお母さまやお子様にとって大きな壁となっているのです。
私たちは、熊本市役所をはじめ関連機関に、入学金等々で「何かひとり親家庭のお母さん看護学校入学金の支援制度はないですか」と尋ねました。
すると「高等職業訓練促進資金貸付」制度があると教えていただきました。
入学準備金として50万円(貸付ですが看護師として5年間働けば返済義務なし)という制度です。
ところがです……。
その貸付金は、看護学校への入学が確認された後にしかもらえないのです。
(入学準備金と名がついているにも関わらずです。)
「なぜ入学確認後にしかもらえないのですか?」と尋ねても「国が決めたので……」という返答で終わってしまいました。
他にも、母子家庭への貸付金があると教えていただきましたが
「これは返済義務があるので慎重にしてください」と渋い顔でおっしゃいました。
看護学校に進学されたひとり親家庭のお母さん方は、行政の対応について
「どこにいけばよいかわからず、たらい回しにされたり、冷たかったり、
書類の不備など何度も仕事を抜けて行かなければならなかったので
看護学校への進学を諦めたくなった」とおっしゃる方が多いです。
正直今回、私もそのような印象を持ちました。
とにかく、入学金の問題はなんとかならないのか。
私たちは熊本県内の看護学校へ直接出向きお願いに上がりました。
すると学費や入学金を待っていただける学校がありました!
会議で審議していただき「対応できる」と言ってくれた学校もありました。
※正式に納付猶予が規則として決まっているわけではありません。また、今回対応いただいたのは一部の学校です。
お母さん方は仕事と子育てで忙しいため、受験直前になって塾に来られる方が半数はおられます。
その場合、入学金準備の問題が起こる可能性が高いです。
先の方が今年度の受験を諦め、資金をプールして受験されるのは本当に歯がゆいです。
ただ来年を目標に受験するということで学習は継続されます。来年、絶対に合格できるようにこれからも共に頑張りましょうね。
当団体でも毎年、この【入学金】という問題が何とかならないか検討し、行政や学校へ伺ったりしております。
ひとり親家庭の親・子のみなさんが少しでも自分の志望校を目指しやすくなるよう、
利用しやすい奨学金や貸与金の整備が進むことを私たちは願っています。