ぼくらは みんな うたうたい
サイン隊Yちゃんをご紹介
生まれつき耳が聞こえないYちゃんは、手歌作りや感想を言い合う場面で必ず手を挙げて発表してくれる元気な女の子。天真爛漫で、人が大好き!相手が手話ができるできないに関わらず、周りにいる人みんなと積極的にコミュニケーションをとっています。また、相手のことをよく見ていて「今日は疲れてる?」などと気遣ってくれる優しさも。ウフフ!と笑いながらいつも楽しそうに話す姿がとても可愛らしくて魅力的です!
<Yちゃんインタビュー>
手歌で表現している時はどんな気持ちですか?
その時の手歌をお客様に喜んで楽しんでもらえるように、その後大きな拍手をもらえるように表現しています。
あなたにとってホワイトハンドコーラスNIPPONはどんな場所ですか?
楽しい場所。
ウィーン公演で実現したいこと、世界の人に伝えたいことは何ですか?
世界の人達が分かるように手話を変えて発表するので誇りを持って世界の人たちに第九を届けたい。
<ご家族からのメッセージ>
娘は小学2年生からホワイトハンドコーラスに通い出しました。月日が流れるのも早く、もう5年の月日が流れようとしています。
娘は重度難聴で、補聴器も使っていない為、普段の生活音は全く聞こえません。家族の会話は手話を使いますが、一歩外へ出れば全ての情報はほぼ目だけで得ています(ろう学校以外)。
家族で音楽番組を見ようものなら「つまらないから他のをみたい」と、チャンネルを変えます。
でも、《音楽》が嫌いなわけではありません。
歌番組に出てくる歌手の真似をしたり、ダンスをしたりする事もありました。ですが、私たち家族が聴いている《音楽》と、娘が観ている《音楽》は別物だと思っていました。
娘にとって《音楽》とは何か…
私たち家族は、すでに聞こえる世界を知っている為、どんなに頑張っても娘のように聞こえない世界を体験できません。
ですが、娘がホワイトハンドコーラスに通い思った事は、《音楽》とは…
聴くものでもあるし観るものでもあるが、根本は同じ【心から感じる物】なのだろうなと沢山の素晴らしい経験をさせていただいて思っています。
重度難聴だけでなく、神経発達症も併せ持つ娘。ですが、生まれながらに重複障害を持つ娘にとっては、それが当たり前な世界です。
ホワイトハンドコーラスに通い、多種多様な障害を持っている子、持っていない子との交流の中で、本当に救われているのは、誰もが娘を否定しない事です。
通学中困った事などあった時、耳が聞こえないと言うだけで目を合わせてくれない方も居ると、1人通学をする娘から聴く事もあります。
100人100通りの考えがあり、多種多様な生活を送る中で障害に対しての考えは様々だと思います。ですが、ホワイトハンドコーラスの活動で、インクルーシブな世界が広がり、支えてくださっている皆様からの力を胸に、ウイーンでも大きく羽ばたき、バリアフリー社会への大きな一歩を切り拓き、社会という大海原に旅立つ時もマイナスイメージをプラスに変える力を備え、たくさんの経験をして幸せな人生を送って欲しいなと切に願っております。
講師の先生方、スタッフの皆様、一緒に活動しているお友達を含む保護者の皆様、そして、なによりもお会いした事はなくとも、大きな応援で、ウィーンへ送り出そうとしてくださっている皆様に、本当に感謝でいっぱいです。