こんにちは、海外事業担当の藤原です。
ここまで、私たち支援を届ける側の目線から、なぜ「早すぎる妊娠」に対しての事業が必要なのか、どういう目的で、どうなってほしくてこの支援を届けるのか、またその内容を様々なスタッフが素敵なエッセイにしてくれました。>>>これまでのエッセイはこちら
支援を受け取る側の目線
頻繁に現地に行く海外事業担当として、私はもう一つの、支援を届ける側ではない、受け取る現地の側からの目線もご紹介できればと思います。なぜなら、現地側の目線というのは事業のコアになるもので、現地がそれを必要だと思い、実行してこそ、持続可能性のある事業が生まれると感じるからです。
性教育の時間
「12歳で母に」。実際にケニアのビタの12歳の少女になることはできませんが、そこを想像することはできます。
私は12歳のころ、小学校6年生でした。小6だと、理科だったか道徳だったかで性教育の授業が1時間か2時間、ありました。いつも笑っていた担任の先生が、えらく真面目な顔で授業をしようとしていました。確かその時習ったのは第二次性徴についてで、思春期とともに身体的特徴が男性、女性で変わるという内容でした。男性は肩幅が広くなり、女性は胸が膨らんで、などですね。
それですら、私にははずかしく、机に顔を向けがちだったのを覚えています。周りも同様でした。
日本ではこのように性と生殖に関する知識はある種タブー化され、あまり人前で大声で話すことではないとされています。
こんなに幼いころからなぜか「はずかしい」と感じるほどに。それは、ケニアも同様です。
さて、そんなナイーブで繊細な年頃と文化に、肌の色が違う人たちが突然教室にはいってきて、「必要な知識だから」と突然コンドームを取り出して実演を始めてしまったら?真面目に知識を吸収するどころの話ではなくなってしまいます。
このように一方だけからの押し付けにならないよう、現地のニーズをできるだけ汲み取り、一緒に実現したい未来を実現できるよう支援のあり方を作っていきます。
現地の目線と立場に寄り添う支援
現地の文化に精通している現地のNGO団体がパートナー団体であり、事業の前の前の段階あたりから協力してくれているのが地元の子どもたちです。
現地スタッフの注意ぶかい聞き取りと子どもたちグループの話し合いから、避妊に関する知識や周りに相談できる相手がいないことが見えてきて、その後の子どもたちからいきいきとした自分たちでやってみたい事リストが出てきて。
例えば自分たちが先生になるワークショップ、例えば地元の湖での水泳大会と講義。
逆に、現地のやりたい事だけを実施することも現実的ではありません。予算がかかり、結果に行きつく前にとっちらかってしまうからです。
しかし、本当に必要な個所に、必要な分だけ寄り添い、現地と「ともに」支援を作っていくことはできます。ビタの子どもたちが自分の性と生殖に関する事柄を自分で決定できるように、そしてその先に、彼(女)らが前向きな社会をつかみとれるように。
現地の目線に寄り添いながら、事業を実施していきます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
ぜひ、温かいご支援と応援のほどよろしくお願いいたします。