今回は、埼玉県入間郡にある「三芳おなかま子ども食堂」です!
保育士として16年従事してきた間、家庭環境によって左右される子どもたちの環境の格差を多くみてきました。同時に家庭の機能が著しく低下した場合のセーフティネットが地域に複数必要であるとを感じていました。多くの家庭やお子様と対話する中で、親が子どもと食事をする経済的余裕、時間的余裕、精神的余裕もない現実を目の当たりにしてきたためです。
ある日、我が家で何度か個人的に、お預ずかりしたことのある母子家庭の男の子を休日スーパーで見かけました。彼は試食コーナーで果物をずっと食べ続けていました。その子に声をかけると、ばつがわるそうに「おなかすいたから、おやつのかわり。」と言って笑ってその場を立ち去りました。
お母さんが大好きで、お母さんは生活のために働いている現状も分かっている、だから、ずっと留守番中の空腹も文句も言わずに耐えているのでしょう。何も出来ないもどかしさを感じました。同時に、食事一緒に食べて一緒にすごせたらいいのに思いました。母親が悪いのでもなく、子どもが悪いのでもなく、それぞれ事情があるのです。解決の方法のひとつに、地域の見守りの目や困ったときは頼れる地域のコミュニティがあると考えました。
地域の大人と子どもが顔見知りになり、見守りの機会を増やしていくため三芳町にも共生型(コミュニティ創生を目的とした)のいわゆる「こども食堂」といった居場所が必要だと考えました。地域とのつながりがある中で、子どもは成長していったほうがいい!そんな話を友人に伝えるとその想いを一緒にかたちにしようと言ってくれました。私一人でやるよりも、大勢でやった方がもっと大勢の子どもに手が届くと思い設立しました。
2011年4月に初回開催してから現在までで23回、回を追うごとに口コミで広がり、今では毎回70~80人(最高135人)で食事をすることができました。
子ども同士、お母さん同士、お父さん同士がつながる様子や、家族の枠をこえて交流できている様子を目の当たりにして嬉しく思っています。食材の提供者も増えてきていますが、もっと多くの方とつながっていけたら、それぞれの負担も小さくなるかな?と思っています。今後は、外国籍の家庭や、障害などの有無をこえて参加しやすい居場所にしていきたいです。
食事の衛生面に十分配慮していても、いつ何時食中毒などを含め事故が起こるかはわかりません。また、調理をする側もやけどやケガなどする可能性もあります。さらには施設を含み物損も考えられます。子どもは予想外の動きをします。不測の事態に備えて保険は必須と考えています。
子ども食堂の多くは、私たちを含めて自主運営のところが多いです。「なんとかしなくては」という子どもの未来への危機感を感じて活動するにしても、ファンドレイジングの問題は常について回ります。1円でも経費は大事に使わなければ、長期の継続も困難になってきます。保険に加入したくても、その資金すら捻出することも難しい子ども食堂もあることでしょう。子どもたちん居場所を増やし、続けるために保険は不可欠です。どうか、ご協力をお願い致します。