史跡 御所野遺跡
すず竹細工の里鳥越から、車で10分程の距離にあります。聞いた話によれは、鳥越でも掘るといろいろ出土するとのことですが、御所野は縄文中期の遺構で、農工団地の造成事業の折に発見されました。2021年世界遺産に登録されています。
こちらは屋内の博物館に加え、縦穴建物や配石遺構を伴う墓域、祭祀場などの屋外展示もあり、広々とした公園になっていて、訪れた11月初旬は紅葉真っ盛りで、とても気持ちがよかったです。
ここで出土した土器の底に残っていた圧痕から、すず竹細工が使われていたことがわかりました。縄文人は土器を成形する際、すず竹をシート状に編んでその上に土をのせ、そのシートをろくろ代わりにして回すなどしたものと考えられています。しかもシート状に編まれたすず竹は一通りではなく、いくつもの編み方がされていて、今の編みに通じるものということです。有機物であるすず竹細工はやがて土に還るのですが、土器という無機物にその後が残っていたことに驚くとともに、ロマンを感じます。
縄文人は他にどんなすず竹細工を編んでいたでしょうか?最近、日本各地で低湿地遺跡から編組品の出土が報告され、それがきっかけで、縄文人の暮らし方が大きく見直されています。かごも作られていたかもしれません。想像するとワクワクしますね。
本では、御所野博物館の高田館長に専門家のお立場から寄稿いただきたいと思っています。