BOWDOCKブランドデザイナーの吉田です。思い返せば最近のことのようで2021年のはじめ頃に新しいものづくりを考えていて、念願の音楽に携わるプロジェクトを考えていましたが、その時ちょうどKENWOODのアンプが調子悪くなりはじめた事もあり、手の届く価格で高音質なオーディオ機器が提供できたらおもしろいなとぼんやりとした感じでスタートしました。
オーディオ機器のマーケティングを開始したところ、スマホ時代という事もあり、イヤホン・ヘッドホンが主流で、特に目新しいものは見つかりませんでした。故障したアンプの代替品を探したところ目を引いたいのが海外製のデジタルミニアンプでした。
片手で持てるほど小さなアンプは真空管とデジタルのハイブリッド構造で、さらにBluetooth5.0搭載なので別途Bluetoothレシーバーを購入する必要なくスマホ・タブレット・PCの音源を利用できる優れもので、海外でこんなものが生産されているとは驚きました。早速、注文してみました。
音質も信じられないほど良好で、女性ボカーカルの高いところで気持ち良い歪みがかんじられるので真空管がうまく機能しているようにさえ感じられました。
「アナログで贅沢・デジタルで節約」
他社との共存により高音質を低コストで提供できるオーディオシステムの構築ができる事を確信しましたので、昭和のステレオブームまでとは行かないまでも
「低コスストハイエンドオーディオシステム」
により、令和時代の音空間づくりを提案すれば、ステレオを知らない若年層からオーディオを手放してしまった中高年層に受け入れられるのではと考えました。これを実現するためには、見た目も機能も、かつてないスピーカーシステムが必要だと考えました。
令和のオーディオシステムと昭和のステレオブーム製品との差別化を測る必要があります。デジタルを取り入れることはもちろんですが、昭和時代のステレオで不満を感じていたものを解消できれば革命的なオーディオシステムになるはずです。キーワードは
「負の解消」
楽曲の録音状態でいじってしまうのがアンプのトーンコントロール機能です。電気的な信号を変えてしまうので音痩せをしたり極端な音質変更になってしまうことが多くて、結局はフラットで聴いていました。電気的な信号をいじらずにスピーカー自体で物理的に音質コントロールができればクリアーな音質が生まれるのではと考えました。
ひとつのピクトグラフイメージが創造できました。これを実現できれば世界初のスピーカーシステムの誕生になるはずです。
まずは3D CGでモデリングを制作してピクトグラフの造形をリアルにしたスピーカーシステムの企画書を作りました。また、小ロット生産でもすぐに対応いただくために、YOKOHAMA madeとして、横浜の工場を拠点とした製造を考えました。
企画内容をご紹介するのはお恥ずかしいですが、よりBOWDOCKを知っていただきたいので、この続きは次回でお伝えさせていただきます。