皆様、いつも温かい応援を賜りまして誠にありがとうございます。
現行レーンでは雄花が咲かない状況に苦戦しまして、無事受粉できましたのは2個、そのうち順調に肥大化し、形の良いものは一つとなりました。
前回、日照時間を短くし(+リン酸カリウムの単肥を少量追加)、雄花を待ちましたが、予定より時間がかかり5/4より無事現行レーンへ雄花がつくようになりました。
ただ、残念ですが、雌花が咲き切ってしまいましたので、現行レーンは実りをつけた株を残し、リセットの予定でおります。
(ただいま苗を準備しており、5/13頃に定植を考えております)
↓肥大化が進んでいる実り
■新株レーンの状況
日照時間を調整する必要性が課題となり、新株レーンでは日照8:30へ短縮し、育成を進めて参りました。
現在、雄花、雌花ともに開花が始まり、すでに15以上の受粉を終えております。健康状態も大きな問題はなく、子房の肥大が見られるものも多数ございますので、成功率は向上しているようです。
成長に合わせ、日照時間を徐々に伸ばしていく予定でおります。
■新たな問題
現行レーン全体と新株レーンの一部に葉の枯れが発生しました。
↓現行レーン
↓新株レーン
枯れ方から「リン酸欠乏症」ではないかと判断しております。新株は1〜2枚の葉で、軽度。現行レーンは中〜重度で多くの葉を失いました。
また、現行、新株レーンの花の大きさが小さめなのも、リンの不足が関係するかと考えております。
■原因
この度発生したリン酸欠乏につきまして、養液中の濃度は十分ですので、4・5月に入ってからの高温が原因ではないかと考えております。
室温が30度程度まで上昇し、28度超えの危険な温度帯が続きました。
エアコンを使うべきでありましたが、28度を超えましても酵素活性が下降しないよう、室内の炭酸ガス濃度を上げて成長を優先させました。
つられて養液温度も高温となりますので、以下のような症状が予想されます。
液温上昇→溶存酸素濃度の低下→嫌気性細菌の増殖→養液のphダウン
実際安定度の高い液肥9号でも6時間でph6.5→5.5と大幅に下落し、夜間は最低ph4.8まで低下する日もございました。
酸性に偏りますと、まずは重要な養分のうちリンとカリウムの取り込みが十分に行えなくなります。
また液温が高くなりますと細菌の増殖も盛んになります。それを抑えるための銀イオンシートを確認しましたところ茶色に変色し、タンク容量に対しての効力を失っておりました。右が新品となります。
■対策
1.液温のコントロール
夏に向けましても冷却の必要性がございます。熱帯魚用のチラー式冷却機を養液タンクへ取り付け、液温の上昇を抑え込みます。
2.銀イオンシートの交換
タンクの容量が大きくありませんので、細かく切断したシートを用いて、1ヶ月程度を交換目安としておりました。酸性環境では溶出量が増えますため、今回予定より早く寿命を迎えたようです。
今後はシートの色の変化を確認して参ります。また、シート断片が約60Lの容量に効果を発揮できず、少量の液体に対してであれば、まだ使用は可能と考えております。
交換済みのシートにつきましては、育苗時の殺菌シートとして使用したいと考えております。
3.phの安定化
ph変動が激しい場合はアップ剤点滴を用いておりましたが、調整が難しく途中で止まる場合があるなど、不正確なものでした。
急造ではございますが、手持ちのphセンサとダイヤフラム式ポンプにて、養液phがダウンした際にアップ剤を注入する機械を製作致しました。
(アップ剤として水酸化カリウム0.35%溶液)
実験では問題なく動きましたため、試験運用を行っております。
ただ、phセンサも、日頃使用しておりますハンディECメータ(PH計測可)もこまめに校正はかけておりますが、phセンサ部(プローブ)の経年劣化が見られますので、近日中に新品に交換いたします。
■今後の動き
5/13(月):現行レーン支柱1本を残し、11本リセット。定植。
5/14(火):ハンディphセンサ交換。
6月上旬:現行レーン試験体の収穫と検査
(5月中:ph調整機のプローブ交換。船便にて入荷日未定)
■まとめとして
現行レーンにて育成が進みます試験体は過去のものと比較しまして色艶もよく、失敗続きではございますが少しずつ良いメロンに近づいてきていると実感しております。
新株レーンにつきましては、これまで得られたデータを元に是非成功させたいと思います。
皆様への返礼が遅れておりますこと、誠に申し訳ございません。少しでも早く皆様のお手元へお届けできるよう努力して参る所存です。
何卒よろしくお願い致します。