皆様いつも温かい応援を賜りまして、誠にありがとうございます。
前回ご報告致しました旧株の実(6/3収穫予定)ですが、観察を続けました所、ネット模様が入らず、葉の状態からもこれ以上の成長は期待できないと判断しまして、本日試験体を回収いたしました。
糖度は11度と、3/3に回収したものより上がりましたが、まだまだ目標には程遠い値でした。
■現行レーンの様子
6/2に受粉成功が25玉とご報告致しましたが、肥大化しないものが多く、現在4玉のみ肥大化が進んでおります。
ネット模様となる皮のヒビも入り、7/1が収穫予定日となります。(TOP画像)
また、ネット模様を入れるための灌水量の絞り込み作業にて、一晩で一株が枯れてしまいました。バルブを開いたところ通水しました為、おそらく狭くなったバルブ開口部へ微細なゴミが詰まり、枯れたと考えられます。
リセットをかけましたところ、やはり根の量が足りず、断水状態にあった場合に保水ができないかったと判断致しました。
また、再度アザミウマが発生しましたので、初期段階(6/5)に3度目となる天敵殺虫を実施しております。すべての株元、及びユニット各所に30mlごと配置致しました。
アザミウマによる葉の被害や枯れは現在確認されておりませんのでご安心ください。
排水溝ネットに増量材のおがくずとククメリス、輸送中の餌となるサトウダニが入っております。両ダニとも人畜、植物に影響を与えない安全な益ダニとなります。
■新株レーンの様子
新株レーンは現在の所順調に進んでおります。葉も非常に綺麗で、養分の欠乏・過剰症状等は見られません。
成分により新・古葉または両方で欠乏・過剰状態が現れますが、今回リセットをかけました旧株にて症状の観察を続けておりました。液肥の配合は10号にて完成かと考えております。
また、根の成長を促すべく、現行株同様に灌水量を萎れないギリギリまで絞り込みました。成長に合わせ、相対的に灌水量を増やしてまいります。
灌水量の確認(チラー冷却機の音がします)
新株でも根は1m以上あり、映像のように支柱下部より確認が可能です。成長が進みますと隣の支柱の根と絡みますので、現在はキッチンペーパーで抑えております。
ただし、キッチンペーパーを抜けてきますので定期的に根を支柱内に押し込む作業が必要となります。
■問題点と今後の課題
約10ヶ月間完全閉鎖にてメロンの水耕栽培を行ってまいりまして、失敗から様々なことを学べました。今後安定的に魅力的なメロンを東根の新しい名産品として育てるには、以下の解決すべき点がございます。
・実、根の成長不足
・人工授粉の成功率向上とその後の成長
・葉の維持
根を成長させない限りはメロンが育ちません。すべてのレーンにて取り組んでおります灌水量の制限は根の成長を促す為のものとなります。
人工授粉の成功率向上へもつながりますので、授粉成功まで灌水量は常にギリギリの状態を保つようにしてまいります。
※根が少ない新株などは養液が不足しますと葉が萎れ、復活させましても葉にダメージが残り枯れが生じます。1日3回程度、状態チェックを行うと良いようです。
人工授粉の成功には気温と灌水量が影響するようです。授粉時期には気温を25度以上に保ち、灌水量を絞ります。
バルブを絞りますと、微細なゴミでも詰まる可能性があることは今回判明しましたので、タンク内のゴミとりネットをさらに細目のものに交換致します。
授粉後の実の肥大につきまして、メロンが「成長」ではなく「子孫を残す」にシフトする必要があるようです。
20節に付く孫つるを放任孫つるとし成長させますが、全体として葉の枚数が多い場合メロンは「成長」を選ぶようです。実の肥大化に影響を与えない程度、葉を取る「葉かき」を行ってまいります。
皆様への返礼が遅れておりまして誠に申し訳ございません。解決すべき課題も見えてまいりましたので、今しばらくお時間を頂けましたら幸いです。
何卒よろしくお願い致します。