2023/10/15 16:00

その2では、「スポーツ」で成果を上げたい方向けに、ビジョントレーニングで何が良くなるのかを解説していきます。

スポーツで訓練や修得する必要のある分野とは何でしょうか?と聞かれると、真っ先に「フィジカル(身体能力)」「スキル(技術能力)」を思い浮かべませんでしょうか?

確かにフィジカルやスキルは、どんなスポーツシーンにおいても重要なトレーニング要素であり、これらを極めていないと、十分なパフォーマンスは上がらない事は、周知の通りだと思います。

ですが本当にフィジカルやスキルを高めるだけで、どのアスリートも優れたパフォーマンスは発揮できるでしょうか?

ここまで読んで頂いている方々には既に答えは「ノー」だという事はお分かりだと思います。そして具体的に何をトレーニングすれば良いのかというと、まずは「動体視力」という答えが出てくると思います。

人間は情報の80~90%を眼から得ると言われております。そのため、アスリートにおいては動体視力を鍛えてないと、精度の高い情報(または得る必要のある情報)が十分に得られないため、自身が求めるパフォーマンスを発揮しにくくなる…という事にも繋がるのです。当然と言えば当然なのですが…(^^;

しかし、このような情報社会となった現代でも、なかなかビジョントレーニングで本格的に動体視力を鍛える…という事をしている現役の選手やコーチの方々は少ないように見受けられます。

それは「動体視力=視力」であり、視力が良ければ動体視力も良い…と勘違いしている事が、そもそもあるからではないでしょうか?これは、動体視力だけではなく、視覚機能全般についての知見がほとんど無い事に大きく起因している結果と言えるでしょう。では、スポーツビジョンでいう視覚機能と呼ばれている能力にはどんな項目があるのでしょうか?それを下記にまとめました。


①静止視力→止まっている目標を見る能力

②DVA動体視力→横方向の動きを識別する能力

③KVA動体視力→前後方向の動きを識別する能力

④コントラスト感度→色の明暗を鋭敏に識別しる能力

⑤眼球運動→眼球をすばやく正確に動かす能力

⑥深視力→正確に距離を認識する能力

⑦瞬間視→瞬間的に多くの情報をつかむ能力

⑧眼と手の協応動作→眼で見たものに素早く反応する能力


これらの視覚機能の能力をバランス良く鍛える事により、アスリートはパフォーマンスを十分発揮出来る可能性があるのです。

そして、これらのビジョントレーニングを組み合わせたトレーニングを行う事で、現状より最大10%程度の向上が見込まれると言われております。10%というと、一見たいした向上では無いように思えますが、0.1秒を争う選手にとっては、10%の向上というのはかなり大きなアドバンテージを持つ事となるでしょう。

なので、フィジカルやスキルのみトレーニングしている現役の選手の方が限界を感じると思ったら、一度ビジョントレーニングする事ををおススメいたします。もしかしたらそこから新しい世界が切り開かれるかもしれません。