11月30日に終了したクラウドファンディング、「【バングラデシュ・ネパール】子ども×気候変動:防災活動で未来のリーダーを育てたい」を応援くださりありがとうございました。
本日は、このクラウドファンディングの対象となった活動のひとつである「第3回子どもたちによる気候変動会議」についてご報告します。
このイベントは、沿岸部で気候変動の影響を強く受ける子どもたちが、自分たちの問題を考え声をあげ、おとなたちと話し合うことを目的としており、シャプラニールが他団体とともに共催しました。バングラデシュの災害に脆弱な地域、クルナ県で開催され、当日は地域に住む約350人の子どもたちと、地方行政・教育機関のおとな約150人が参加しました。パネルディスカッションや分科会、絵画やスピーチのコンテスト、クイズ大会などが催され、子どもたちは積極的に意見を述べていました。
会議では、行政機関などの大人代表が、大勢の子どもたち・大人たちの前で、真剣に発表、議論しました。
子どもたちも、積極的に挙手し、堂々と発言をしていました。
子どもたちの様子に、聴衆も真剣に聞き入っています。
子どもたちによる共同宣言・要請は、非常に具体的です。彼らが、いかに日常的に脅威にさらされ、様々なことを感じ取り考えているか、ということがよく分かります。
下の写真は、絵画コンテストの受賞者たちです。
よく見ると、左側の3名がサイクロンや洪水による水害の絵、右2名も船に乗りすっかり様子の様変わりした風景を眺めている絵です。
まさに、国じゅうに河川が張り巡らされたバングラデシュという国において、激化する洪水やサイクロンの影響、そして変わりゆく自然環境を、子どもたちならではのみずみずしい感性で描いた作品ばかりです。
受賞者の少年はこう言います。
「以前のように完全に戻らないとしても、みんな一人ひとりが、少しずつでも、環境によいことをすれば、良い環境を作ることはできると思います。」
次に、子どもたちが描いた絵を、いくつか個別にご紹介します。
サイクロンや高潮によって洪水になった時、みんなが安全に避難できるように手助けをしているところです。もっと安全な避難シェルターが必要を訴えています。
背景を覆う黒い雲は巨大なサイクロンでしょうか。大勢の人が、いかだや屋根の上に避難している様子が分かります。水面や植栽、屋根の鮮やかな色づかいとの対比が、彼らの身に迫る気候変動をリアルに伝えています。
こちらも洪水で避難する人々を描いています。着の身着のまま、家族と大切な犬やヤギを抱え舟に乗っています。木々の枝が屋根の上にしなだれかかっているのが、水害の恐ろしさを訴えています。
右側が緑や川が美しかった昔の村、そして左側が工業発展を遂げて変わってしまった現在の村です。工場が多く建設され、タンカーからは重油が漏れ出し、海は汚れ木々が枯れている様子が描かれています。以前はなかったデング熱等の病気も増えたと感じるそうです。
さて、ここまで子どもたちの気候変動会議についてご報告しましたが、子どもたちのパワーを感じて頂けたでしょうか。
このイベントに参加したシャプラニール・バングラデシュ事務所長の内山は、子どもの声に耳を傾ける大人の責任について、下記のように言及しています。
「私が思うことは、まず子どもたちの声を聞いてほしいということです。彼らは、色々なことを考え、大人が気づいていないことに気が付いています。そうした視点は、彼らが大人になり将来を担う、その時にも必要な能力です。」
全世界のすべての大人が、かつては子どもでした。
同時に、子どもであるという理由から大人に話を聞き入れてもらえなかった記憶は、大小問わず、きっと誰しも経験があろうはずと思います。
元子どもである大人は、こと気候変動に関しては同じ轍を踏んではならないのだと、思わず襟を正すような気持ちにさせられる、そんな気候変動会議だったと感じます。
以上、バングラデシュでの活動報告でした。
ご覧頂きありがとうございます。