この度、久能山東照宮「刀剣伝承」プロジェクトに多大なご支援をいただきまして厚く御礼申し上げます。
当宮には創建時より伝わる神宝類として歴代将軍の刀剣や甲冑などの武器や武具、調度・装身具、日常品(手沢品)、絵画、書蹟・古文書などあらゆる遺品類を所蔵し、その数は約2,000点を超えております。その中には国宝や重要文化財が約230点含まれており、これらの貴重な文化財を後世につないでいくことが私たちの最も大切な役割と思っております。
中でも当宮には徳川歴代将軍所有並びに寄進の刀剣がございます。
今回の刀剣伝承プロジェクトでは、徳川歴代将軍刀剣を維持保管していくために重要な将軍ゆかりの刀剣14振の白鞘の新調と国宝 太刀「真恒」拵の修復を計画しております。白鞘については、通常10年~30年が使用期間のところ約160年が経過しております。また、真恒拵は2代将軍徳川秀忠公が久能山東照宮創建時に奉納されたもので、製作から400年以上が経過し劣化が進んでしまった状況です。刀剣や拵は一度なくなってしまうと二度と元の姿を取り戻すことはできません。
クラウドファンディングの目標金額は達成しておりますが、将軍刀剣14振の白鞘新調と国宝 太刀「真恒」拵の修復(修復のための技術検証としての復元模造制作)には、3,000万円以上の費用の捻出が必要です。皆様からのご支援金は刀剣伝承事業に使用をさせていただきます。またその他、ご支援金から返礼品の制作費や送料等についてもまかなう必要がございますので、引き続きご支援をいただけますと幸いです。
その上で、余剰金が出た場合につきましては、当宮所蔵の刀剣の修繕や維持・管理に使わせていただきます。
皆様と一緒に歴代将軍刀剣を守り、刀剣文化を後世につないでまいりたいと思います。
久能山東照宮 宮司 姫岡 恭彦