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〜5年目の進化と深化〜 カカオの違いを愉しむチョコレートの新たな展開

立ち上げから4年、これまで多くの産地からカカオを仕入れ、それぞれの個性を存分に引き出したクラフトチョコレートを製造し皆さまにお届けしてきました。産地や品種によって異なるカカオの香りをより一層愉しんでいただくべく、多様なタイプのチョコレートを製造できる体制を整えていきたいと考えています。

現在の支援総額

521,700

104%

目標金額は500,000円

支援者数

50

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2024/05/16に募集を開始し、 50人の支援により 521,700円の資金を集め、 2024/06/30に募集を終了しました

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現在の支援総額

521,700

104%達成

終了

目標金額500,000

支援者数50

このプロジェクトは、2024/05/16に募集を開始し、 50人の支援により 521,700円の資金を集め、 2024/06/30に募集を終了しました

立ち上げから4年、これまで多くの産地からカカオを仕入れ、それぞれの個性を存分に引き出したクラフトチョコレートを製造し皆さまにお届けしてきました。産地や品種によって異なるカカオの香りをより一層愉しんでいただくべく、多様なタイプのチョコレートを製造できる体制を整えていきたいと考えています。

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クラウドファンディング開始から1週間、皆さまの温かなご支援に改めて感謝いたします。

過去クラウドファンディングの活動報告ではプロジェクトの進捗状況やリターンの製造状況等を主に書いてきたのですが、今回は新たなタイプのチョコレートが完成したタイミングでもありますので、プロジェクトページ本文には書ききれなかった「Smooth」開発時のこぼれ話も書いていこうと思います。

レシピを組んでいく中で数々の試行錯誤があったわけですが、その中でも今回は「油脂」に着目して細かいところを掘り下げていきますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。


チョコレートのテクスチャに大きく影響する「油脂」

「Smooth」の開発では、カカオそのものの芳しいフレーバーを新たな形で愉しんでいただくべく、シンプルな Bean to Bar チョコレートの「フレーバーリリースを変えること」と「テクスチャを柔らかくすること」を目指していました。

そしてそのための方法として「水分を含ませること」と「油脂の組成を変えること」を主な技術的アプローチとして採用し、最終的な商品形態である"ケーキタイプのチョコレートバー"に仕上げていきました。

その中で今回の記事では「油脂の組成を変えることによるテクスチャへの影響」について深堀りしていきますが、なぜ油脂がチョコレートのテクスチャにとって重要かというと、プロジェクトページ本文や他の 2U chocolate のコンテンツでも度々触れている通り、一般的なダークチョコレートをミクロな視点で見てみると、ココアバター(油脂)中にカカオマスと砂糖の粒子が分散した構造をしているからです。

チョコレートの微細構造モデル

このモデル図のように、ココアバター(油脂)の結晶がチョコレート全体を固化させていますので、20℃程度の室温で固まっている状態の硬さも、口の中に入れて32〜33℃で融解する「口溶け」の具合も、どちらも油脂次第で変わります。

これはつまり、ココアバターに他の油脂を加えて硬さや固まり方を変えることでテクスチャを変化させられるということであり、技術的アプローチとして油脂の配合を適切に調整することで求めるテクスチャを作り出せるということです。

「Smooth」の検討段階では目指すテクスチャを「冷蔵保存時でもナイフで切れる硬さで、なおかつ室温付近では柔らかくなめらかな口当たり」と設定しましたが、この状態を油脂の固化状態で表すと「一部は液状で一部は固まっている」ようなイメージになります。

(※「Smooth」の場合は水分を含ませることでもテクスチャを大きく変化させていますが、話を単純にするために今回は油脂単体にフォーカスして説明していきます)

ある温度における油脂結晶の割合が重要

「一部は液状で一部は固まっている」というのは例えばバターをイメージしてもらうとわかりやすいのですが、冷蔵保存で10℃程度になっているバターは、冷蔵庫から取り出してすぐでもナイフでムニッと押し切ることができます。

これは実はバターは10℃程度に冷えた状態でも油脂が固化しているのは40%程度で、残りの60%程度は液状で存在しているためです。

この「ある温度において油脂がどの程度結晶化しているか」(専門的には"SFC"(Solid Fat Content=固体脂含量)と呼ばれます)というのがチョコレートのテクスチャに大きく関与していて、それぞれの温度におけるSFCをプロットしてグラフ化したものが硬さや口溶けの指標に使われます。

油脂を多く含む食品のテクスチャのイメージ。10℃付近ではココアバター(チョコレート)はほとんど固化しているのに対し、バターは40%程度しか固化していない。

上図の通り、ココアバターは25℃程度の温度までほとんど固化した状態であるため室温では硬くパキッと割れるようなテクスチャを示しますが、バターは低温でも液状の部分が多いためムニッと柔らかなテクスチャとなるわけです。


ココアバター/バター/米油の配合バランスで絶妙なテクスチャを追究

「Smooth」は Bean to Bar チョコレートをベースに作っていますが、上述のようなアプローチでテクスチャを変えるために、元々含まれているココアバターに加えて「バター」と「米油」を油脂として配合しています。

室温でしっかり固化しているように見えて、実は液状の部分が多く柔らかなテクスチャになっています

室温付近でほぼ完全に固化するココアバターと、わずかに固化して柔らかなテクスチャを示すバターと、完全な液状油である米油、物性が異なるこれら3種類の油脂を用い、配合バランスを適切に調整することで柔らかくなめらかなテクスチャを実現することができています。

この油脂の配合を決める過程ではもちろんフレーバー面も考慮する必要があり、加えて複数の油脂を混合して固める場合、単純な平均値のSFCにならない場合もあること、さらに水分を含ませて焼成後に固化させること等、テクスチャの決定には様々な要因が複雑に絡み合うため、使用する油脂の種類やその配合比を少しずつ変えながら試行錯誤を繰り返しました。

結果的に時間はかかってしまいましたが、開発のプロセスで様々な知見を蓄積することもでき、今後別の商品を開発する際にも活かせる技術が培われたかなと思います。

◇◇◇

今回は「Smooth」開発時のこぼれ話、特に油脂にフォーカスした話をお届けしました。

書き出すといくらでも細かな技術的な話になってしまいますが、チョコレート製造は科学ですので、その雰囲気を少しでも感じていただければと思っています。

クラウドファンディングは始まったばかりですが、少しでも多くの方に知っていただきたいと考えていますので、引き続きプロジェクトの拡散にご協力いただけますと幸いです!

https://camp-fire.jp/projects/view/716738

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