「刑務所アート展」クラウドファンディングへ、椿原誉樹さんから応援メッセージをいただきました。
椿原 誉樹 会社員
<応援メッセージ>
僕は、何かを語れるほど、何かを知っているとは思えないけれど、ただ、犯罪や、罪ということを思う時に、いつも、「自分がそうだったかも知れない」ということを思います。
わたしがわたしであることは、きっと、ただの偶然で。たまたま、たくさんのものごとと、ひとに、囲まれて、いつの間にか、わたしという人間が出来上がった。何かが少しでも違っていたら、何かボタンのかけ違えがあったら、全然違っていたかも知れない。
塀の中にいる人たちも、そうだと思います。人生の中で、何かに、誰かに、出会えていたら、そんなことにはならなかったかも知れない。もっと愛されていれば、もっと聴いてもらえていれば、もっと報われていれば……違ったんじゃないかなと思ってしまいます。
人が人であり続けるために、人は、誰かと関わります。言葉を交わしたり、抱き締めあったり。アートとは、人が人と関わるための、自分が自分であるための、自分がこの世に存在しているということを伝えるための、一つの手段であり、叫びだと思います。
刑務所の中で、罪と向き合いながら、何かを考えている人たちが、それを表現する場があれば。自分がこの世に存在し、何かを思い、それを聴いてもらうという、当たり前のことを、やり直せる場があれば。
何かが変わるかも知れない。変わらないかも知れない。でもいずれにせよ、彼らは(僕らは)この世に存在しています。罪を背負って、生きることをやめてはならないという罰を受けながら、これからも生きていきます。その残りの人生を、少しでも世界にとって優しいものにするために、彼らは(僕らは)、自分たちがほんとうは尊い存在であるということを、思い出す必要があると思います。自分たちが尊い存在であるように、他者もそうなのだということを、そんな当たり前のことを、思い出すために、自分の感情と、記憶に、向き合う必要があると思います。アートを介して、自分の存在を思い出し、それをこの世に表現するということ。そうした体験が、一度で良い、一度でもあれば、何か、未来が変わるんじゃないかと思います。
僕はそう信じています。
椿原さん、応援メッセージありがとうございます。
2024年1月15日まで、第2回「刑務所アート展」展示会の開催および、カタログやグッズ、Webギャラリー等のコミュニケーション媒体の制作、持続可能な運営体制づくりの資金を集めるため、目標250万円のクラウドファンディングを実施しています。ぜひ、プロジェクトページをご覧になって、ご支援いただければ幸いです。