
自然の理に倣う手入れの時間
みなさん おはようございます!
昨日は一日中、しとしとと降り続く雨
予定していた山の水源への行程は断念・・・。
まあ、これも1つの「メンテナンス日和」そう前向きに捉え、
開拓地のウラ山にある貯水槽とろ過装置
そして入り口の水場のメンテナンスをしました。

自然の恵みをいただく暮らしは、
こうした地道な手入れの積み重ねがあってこそ成り立ちます。
1. 山の水源と「招かざる客」
山の水源は一見、透き通って清らかに見えますが、
大雨が降れば状況は一変します。
ろ過網を設けてはいるものの、
濁りや落ち葉のかけらを水と一緒に吸い込んでしまうのです。
これらをそのままにせず、安心して飲める「恵み」へと
変えるためには、定期的なメンテナンスが必須です。
2. 自然の理を借りる、二段構えの工程
地元の長老から伝授されたのは、
自然のサイクルを最大限に活かす
「緩速ろ過(かんそくろか)」という手法です。

3. 貯水槽:沈殿という「静寂の時間」
引き込まれた原水は、まず貯水槽に蓄えられます。
ここで時間をかけて砂や塵をゆっくりと沈ませ、
澄んだ上澄みだけをろ過装置へと送り出すのです。
まずは底に溜まった堆積物を丁寧に取り除き、
槽内を清めることから始めます。

4. ろ過装置:ミクロの宇宙と共生する
ここからが「水を磨く」本番です。
ろ過材には、地元の知恵が詰まった素材の
土佐備長炭・サンゴ・牡蠣殻・麦飯石などをに使用しています。
これらの素材に空いた無数の微細な穴は、
いわばバクテリアの「おうち」です。
緩速ろ過の最大の魅力は、まさにこの目に見えない
「生命の力」を借りる点にあります。
「単なる微生物?」と思われるかもしれません。
しかしそこには、肉眼では捉えきれない無数の生命が息づき、
ろ過材の表面に「生物膜」という
精巧な自然のフィルターを作り上げています。
まるで宇宙の星々のごとく広がる生命の営みによって、
水はじっくりと磨かれていくのです。

水あたりの原因となる菌や目に見えない不純物を
彼らが食べて分解してくれるおかげで、
水はただ綺麗になるだけでなく、
山の土壌が育んだ豊かなミネラル成分を
壊すことなくそのまま残すことができます。
大がかりな機械の動力や化学薬品に一切頼らず、
地球の重力と微生物の働きだけで水を浄化する。
時間はかかりますが、これほど自然の理にかなった
究極のエコシステムはありません。
だからこそ、塩素で強制的に殺菌する「急速ろ過」とは異なる、
体にスッと馴染み、自然の甘みを感じる
「活きた水」が生まれるのです。
5. 終わりのない手入れが、味を作る
バクテリアの力を借りるとはいえ、
ろ過材そのものも次第に汚れます。
重いろ過材の袋をすべて取り出し、洗い流す工程は
なかなかの重労働です。
しかし、このひと手間があるからこそ、
蛇口から出る一杯の水がどれほど貴重で、美味しいものになるか
雨音を聴き、ミクロの生命たちと語り合いながら、
自然と真っ直ぐに向き合う豊かな時間を過ごしました。



