
みなさん おはようございます!
標高141メートルの取水口から、95メートルの開拓地にある貯水タンクへ。
この「46メートルの落差」という大自然がくれたエネルギーを、
電気のない開拓地でいかに「手なずける」か?
これは単なる配管作業ではありません。重力との対話であり、
開拓そのものの醍醐味です。
開拓地において、水は血流と同じ。
しかし、ここにはスイッチ一つで動くポンプも、
安定した電力を供給する電線もありません。
頼れるのは、大地が刻んだ「高低差」だけです。

◆2キロに及ぶ「黒い血管」を這わせる
現在、配管に使用しているのは2本の25ミリの「黒パイプ」です。
岩や木々を縫うように這わせることができる柔軟性と、
冬の凍結にも耐えうる粘り強さ。
この選択は、この地において極めて理にかなっています。
直線距離にして1キロの道のりが、地形を迂回することで2キロに及ぶ。
これこそが最大の難所です。
◆橋を渡り、道路を越え、巨岩を避ける
この2キロの道のりは、まさに「管内摩擦抵抗」との終わりのない戦いです。
25ミリという口径は家庭用としては十分ですが、
2キロもの長距離では摩擦によって水圧が確実に減衰します。
だからこそ、単にパイプを繋ぐだけではない、
緻密な「加圧設計」が重要になるのです!

◆ポリバケツという名の「ダム」と「安全弁」
ここで、私は身近なポリバケツをシステムの一部として組み込みました。
46メートルの落差を一本のパイプで一気に繋いでしまえば、
下流には約4.6キロ(0.46MPa)もの圧力がかかります。
これは一般的な家庭用蛇口の2〜3倍に相当し、
安価な継手や貯水タンクを破壊しかねない威力になります。
そこで、道中の標高110メートル付近にポリバケツを設置し、
「中継槽として活用することにしました。
これには3つの重要な役割があります。
1. 空気抜き(エア抜き)
配管内に溜まった空気を逃がし、水の流れを淀みなくスムーズにします。
2.圧力調整(安全弁)
落下の勢いを一度バケツで受け止めて大気開放し、下流への過剰な負荷をリセットします。
3.予備タンク(遊び)
取水口のわずかな詰まりが起きても、
バケツの貯水が「遊び」となり、供給を安定させます。

◆自然の摂理を味方につける
電気のない山中では、物理法則こそが唯一の相棒です。
サイフォンの原理、大気圧、そして重力。
ポリバケツという「知恵」を介在させることで、最終的な貯水タンクに届く水圧を、
「強すぎず弱すぎない」理想的な状態へとコントロールします。
◆黒いパイプが山肌を這い、ポリバケツに水が勢いよく注がれる
それは、人の知恵が地形を克服し、開拓地に生命を吹き込む瞬間の産物です。
そしてついに、2本の黒パイプから豊富な水が貯水加圧タンクへと到達しました。
あっという間にタンクは満たされ、力強くオーバーフローを始めました!!
◆次なる戦いへ
しかし、これで終わりではありません。
次なる難関は、ここから2キロに及ぶ「黒い血管」を、
位置情報アプリと高低差データを駆使して、
理想的なルートへと敷設し直す作業を行わなければなりません。
地味で果てしない作業ですが、これこそが水の摩擦抵抗との真っ向勝負!
開拓の血流をより確かなものにするために、私は今日も山と大自然と向かい合います。




