
みなさん、おはようございます!
かつてこの地を開拓した先人たちが、ひとつひとつ積み上げた石垣の排水溝。
その知恵と足跡をたどるように、無事に県道の下へ配管を通し終えました。
まずは第一関門、「山本商店跡」までの作業が完了です。
そして昨日は、いよいよ開拓地の鶏舎近くにそびえる「御神木」へ向けて、
さらに配管を延ばしていく作業に入りました。

目指すのは、2024年4月に地主さんと探索中に発見した「廃屋」です。
管理放棄林となっていた裏山の、静寂の中にひっそりと佇むその場所へ。
かつて山本商店の奥には、谷に沿って6軒の家があり、
そこには確かな人々の営みと笑い声がありました。
けれど今は、その面影もありません。

人が住まなくなった場所はすっかり自然へと還り、深い森の一部に飲み込まれようとしています。
圧倒的な時の流れと、自然の力強さ。
かつての賑わいを思うと、胸の奥に一抹の寂しさが込み上げます。
静かな森の中で一人作業をしていると、
木々や風が何かをささやいているような、不思議な感覚にとらわれます。
「先人さま、里山の神さま。私はこれからどう進むべきでしょうか。
どうか、道をお示しください」
心の中でそう問いかけ、木々のざわめきに答えを探しながら、
黙々と作業を続けていきました。
そしてついに、目標の「廃屋」まで配管がつながった、その瞬間。

ルートを90度曲がった先に現れたのは、朽ち果て崩れた廃墟の跡と、それを守るように力強く囲む、見事な石垣でした。
そして、その中心に堂々とそびえ立っていたのが……。
立派な、本当に立派な、御神木でした。
圧倒的な存在感と、すべてを包み込むような静謐(せいひつ)な空気。

私は吸い寄せられるように、その太い幹に両腕を回し、ぎゅっと抱きしめました。
ゴツゴツとした樹皮越しに伝わってくるのは、
途方もない年月を生き抜いてきた「生命の鼓動」。
すると、頭上でさわさわと葉が揺れ、心の中に温かく、
けれど力強い声が響いてきたのです。

『よくぞ、ここまで水を繋いだ。
その泥だらけの歩み、しかと見ておったぞ』
『だが、ここで立ち止まるな!これからが、お前の本当の正念場だ』
『お前の覚悟を我らに見せてみよ。
この地に、再び生命の息吹を呼び覚ますのだ。さあ、行け!』
石垣を築いた先人たち、山を見守る神さま、そして目の前の御神木。
そのすべてが、私に「エール」と「叱咤激励」をくれている。
そんな気がして、目頭が熱くなりました。
ふと顔を上げると、いつの間にか辺りの視界がぱあっと拓けていました。
そこに見えたのは、私が切り拓いた開拓地。
そして、間もなく300羽の新しい生命を迎える鶏舎の姿。
深い森に眠る「過去」から、新たな命を育む「現在」、そして「未来」へ。
確かな水脈がつながった瞬間でした。
さあ、次の目標はいよいよ貯水タンク!……と言いたいところですが、
ここからが本番です。
全行程2キロに及ぶ配管作業のクライマックス、「最大の難所」が待ち構えています。
けれど、困難があればあるほど、不思議と魂が燃えてくるものです。
先人たちの声に背中を押された今の私に、もう迷いはありません。
今日もこの森の生命と共に、一歩一歩、力強く進んでいきます。
目指すはゴール、貯水タンクへ!



