
〜しゅりの森自然農園の毎日のごはん〜
みなさん、おはようございます!
いつも温かい応援をいただき、本当にありがとうございます。
画面の向こう側でそっと見守り、声をかけてくださるみなさんの存在が、
日々の農園作業に向かう私の心を、いつも力強く支えてくれています。
おかげさまで、「子どもたち(鶏さんたち)」は、日に日にたくましくなっています。
やってきたばかりの「都会育ちのお嬢様」から、
今やすっかり「おてんばさん・土佐のはちきん」へと成長する姿を見るのが、
毎日の大きな大きな喜びです(笑)
今日は、そんな子どもたちの生命と健康を根底から支えている
「毎日のごはん」について、私の想いと共に少しだけお話しさせてください。
毎日の献立の主役のひとつが、こだわりの「発酵させたおから」です。
実はこのおから、
工場で作られたようなただの菌で発酵させているわけではありません。

子どもたちをこの農園にお迎えする日を心待ちにしながら、
ここ自然あふれる三原村芳井集落の竹林や、山の神さまがいらっしゃる森の中を歩き、
私が長い時間をかけてコツコツと集め、大切に育ててきた
「土着の菌(生命)たち」を使っています。
竹林で培養した生命(土着菌)
この豊かな森の恵みに、納豆菌と乳酸菌を合わせ、
じっくりと時間をかけて発酵させていくのです。
「普通のおからでも栄養はあるのに、
なぜわざわざ森の菌を集めて、そんな手間暇をかけるのか?」
そう思われるかもしれません。
それには、鶏さんたちの生命と健康を守り抜くための、
私にとって絶対に譲れない理由があるからです。
テーマは、「鶏さんと見えない生命体との共存」
私の専門分野である「家禽(かきん)栄養学」の視点から見ても、
この目に見えない小さな発酵菌たちがもたらす力は、
本当に驚くほど理にかなっています。
私が日々、どんな想いでこの小さな生命たちと向き合っているのか?
お腹の中で起きている「生命のバトンの仕組み」を知っていただけたら嬉しいです。
【生きたまま腸の奥深くへ届く強さ】
鶏さんの消化器官には、食べたものをすりつぶす「筋胃(砂肝)」などがあり、
非常に強力な胃酸や胆汁酸が分泌されています。
しかし、エサと一緒に食べた乳酸菌や枯草菌(納豆菌など)は、
その厳しい関門にも決して負けず、生きたまましっかりと腸の奥へたどり着きます。
【温かい「発酵タンク」で、生命が爆発的に増える】
たどり着くのは、鶏さん特有の長く複雑な腸管、
とりわけ「盲腸」と呼ばれる家禽にとって非常に重要な場所です。
この盲腸は、いわばお腹の中にある巨大な「発酵タンク」。
約40度という鶏さんたちの温かな体温に包まれたこの場所で、
菌たちは栄養分を利用し、なんと数億から数十億倍にも一気に仲間を増やします。
何メートルにも及ぶ腸の壁一面が、びっしりと元気な善玉菌のお花畑
腸内フローラで覆い尽くされていくのです。

【悪い菌から、子どもたちを全力で守る】
こうして腸の壁を埋め尽くした発酵菌たちは、そこで乳酸や酢酸などを作り出し、
お腹の中を常にきれいな酸性に保ちます。
何より心強いのは、食中毒などの原因になる悪玉菌
(サルモネラ菌など)が入り込もうとしても、
この元気な善玉菌たちが自らの力でしっかりと退治してくれること。
自らの力で病気を跳ね返してくれるからこそ、
みなさんの食卓へ、本当に安全で安心な「しゅりたま」をお届けできるのです。
【栄養を余すことなく吸収し、たくましい体へ】
腸内環境が美しく整うと、菌が作り出す酵素の働きで、
大切な栄養が腸の壁からグングン吸収されていきます。
同時に腸の免疫組織も刺激され、病気に負けない
「生きる力」そのものが底上げされていきます。
【生命力あふれる「しゅりたま」の誕生】
消化吸収が良いということは、そのまま「たまごの質」に直結します。
殻がしっかりと硬く、黄身の栄養価も高い。
まさに生命力あふれるたまごが生まれてきてくれるのです。
【においのない、心安らぐ居場所づくり】
お腹の中で悪臭の原因となる菌も抑え込まれるため、
鶏舎はまったくにおいがしません。
以前の農場時代からお越しくださっているお客さまがいつも驚かれていましたが、
これは子どもたちにとって、ストレスのない穏やかな環境が保たれている一番の証拠。
そして、ここからが、私がもっとも感動し、大切にしているポイントです。
【土への還元と、終わらない生命の循環】
この発酵菌たちの素晴らしい働きは、
鶏さんの体の中だけで終わるわけではありません。
子どもたちが食べたものは、やがて「ふん」として排出されます。
しかし、そのふんの中には、腸内で数十億倍に増えた元気な菌たちが、
まだたっぷりと生きて呼吸しています。
そのため、地面に落ちたふんは、この菌たちの圧倒的な分解力によって、
あっという間に大自然へと還っていくのです。
においを出すこともなく、素早く土に分解され、
森の豊かな土壌をさらに育ててくれる。
だからこそ、驚かれるかもしれませんが、
私の鶏舎では「ふんのお掃除」が必要ありません。
私が毎日することは、ふんを片付けることではありません。
舎内の「生命の循環」が止まらないよう、環境をそっと支え続けることなのです。
ふかふかの落ち葉を追加してあげたり、
時には舎内の湿度が下がれば適度に水をまき、
目には見えない菌(生命)たちがもっと元気に働けるよう、
彼らのための「追加のごはん」を与えたり。
鶏さんたちが健康に育ち、その鶏さんたちが暮らす環境もまた、
大自然の力で浄化され、美しく保たれていく。
ケミカルな「薬」に頼るのではなく、
目には見えない菌(生命たち)の力を借りて、
鶏さんたち自身が本来持っている生きる力を最大限に引き出し、
環境とも調和していくこと。
これが私が目指し続ける「究極の森林放し飼い養鶏法」です。

森や竹林の中で息づく小さな生命たちが、
鶏さんのお腹の中で数十億の生命へと増殖し、
1羽の鶏さんを力強く守り抜いてくれる。
まさに、「数十億の生命に守られる1羽の鶏さん」なのです。
これこそが私の理想とする「鶏さんと見えない生命体との共存」の姿です。
私はその環境を作る手助けに過ぎず、
子どもたちは、森全体の「生命たち」によって守られています。
今日も、そしてこれからも。
私は子どもたちの生命と真摯に向き合いながら、
みなさんに心から安心できる美味しさをお届けできるよう、
この森のたくさんの生命に支えられながら、頑張り続けます。
どうかこれからも、応援をよろしくお願いいたします。
それでは、みなさんも健やかで素晴らしい一日をお過ごしください。




