
みなさん、おはようございます!
しゅりの森の朝は、今日もレディたち
(まだまだやんちゃな女の子たち!)の
元気な声とともに始まりました。
実は最近、彼女たちのごはん作りにAIを活用しているのですが……
そこで、私が長年抱え続けてきた
「深い悩み」が一気に吹き飛ぶ出来事がありました。
少しマニアックなお話で恐縮なのですが、あまりにも嬉しくて、
そして深く、深く反省した出来事だったので、
ぜひシェアさせてください。
今年の5月に新しい子どもたちをお迎えして以来、
私は既存の飼料計算ソフトをどうしても信用しきれず、
毎日、電卓を叩いて「手計算」を繰り返してきました。
28項目にもわたる細かな栄養成分のデータ。
それに加えて、今日の気温や湿度、彼女たちの体重、
そして「今日はどれくらい食べてくれるかな?」という予測……。
これらすべての複雑な数値を掛け合わせ、
手計算でパズルを組み上げるのには、
どうしても最低2時間はかかります。
「AIを使えば一瞬じゃないか」と思われるかもしれません。
でも、生命を預かる現場において、
私が最後に信じられるのは「己の目と経験」だけ。
だからこそ「絶対に間違えてはいけない!」と、
1回2時間かかる計算を、2回、3回と繰り返し、
間違いのないことを何度も確認する日々を過ごしてきました。
そのため、夜明けに子どもたちへご飯をあげるには、
朝1時から始めても間に合わない・・・。
なぜ、途方もない時間をかけてまで、
そこまで頑なになっていたのか?
それは、私の中に決して消えることのない
「過去の失敗と後悔」があったからです。
私には、30年にわたり鶏たちと向き合い、
蓄積してきた飼料の膨大なデータがあります。
でもここ13年ほど、計算上は完璧なはずなのに、
実際の鶏さんたちの様子や卵の状態を見ると
「何かが違う…」という小さな違和感、
モヤモヤをずっと抱え続けていました。
その答えが、今回AIの演算と私の演算の結果と
じっくり対話する中で、ついに見えたのです!
原因は、ほんの些細な、でも決定的な「数値の罠」でした。
私たちが普段目にする食材には、必ず水分が含まれています。
たとえば白米なら14.5%、
宗田鰹の魚粉なら7.9%が「お水」です。
当然ながら、その日の湿度や環境によっても、
含まれる「お水」の量は変わるわけです。
でも、彼女たちの小さな体に入る栄養を
”正確に”計算するためには、
そこから水分を完全に飛ばした「乾物(かんぶつ)」の状態で
パズルを組まなければならなかったのです。
何時間もかけて苦労して弾き出した自らの手計算の数値と、
AIが示した乾物のデータ。
これらがピタリと重なり合った瞬間、私はハッとさせられ……
同時に、あのつらい過去の記憶がフラッシュバックして、
胸がギュッと締め付けられました。

13年前・・・。
かつての農場でケモノの甚大な被害に遭い、
経営再建の真っただ中に置かれていた時のことです。
「なんとか経営を立て直さなければ!」
「どうしても、たまごを産ませて、
はやく売り上げをあげなければ!」
あの頃の私は、経営再建という「数字」に追われ、
焦りとプレッシャーで、
目の前にある小さな「生命」が完全に見えなくなっていました。
よかれと思って、そして「もっと産んでほしい」という
切実な焦りから、
水分が計算に入れられていないエクセルの数値を
「これが正しい」と鵜呑みにした結果、
たっぷりと栄養を与えすぎてしまっていたのです。
でも、結果はどうだったか。
産むどころか、逆に彼女たちは「産まなくなった」のです……。
過剰な栄養は、小さな体に重い負担をかけていました。
飼料コストは跳ね上がるばかりで、
鶏さんたちは苦しみ、たまごは産めなくなる。
「はやく売り上げを」という私のエゴと焦り。
生命ある鶏さんたちを、ほんの一瞬でも
「たまごを産む機械」のように考えてしまっていた
自分の未熟さ。
それが彼女たちを深く傷つけ、追い詰めていたのだと、
13年越しに答え合わせができ、
ただただ、猛反省するしかありませんでした。
でも、もう過去の失敗に縛られて、
落ち込んでばかりはいられません!
この「水分の罠」に気づき、痛いほどの教訓を得たことで、
私のごはん作りは、ここから劇的に生まれ変わりました!
これまで見えていなかった「データの裏側」に光が当たり、
長年培ってきた現場の感覚と、科学的なデータが、
ようやく完全に一致したのです!
土佐清水の宗田鰹、米ぬか、地元産の青米や玄米、
そしておから。
こうした地域の豊かな食材を組み合わせ、
産卵のピークに向かう300羽の「レディたち」の体を、
優しく、力強く支える
最高の「勝負メシ」がついに完成しました!!
このごはんは、ただの栄養計算の賜物ではありません!
数字や売り上げに追われ、生命を見失っていた
「過去の過ち」に対する、
私自身からの「強烈なアンチテーゼ」なのです。
これは生産者として、
本当に大きな、大きなターニングポイントになりました。
そしてこの気づきは、私たちの人間関係や毎日の暮らしにも
通じるものがあるのではないかな、と思っています。
目の前の出来事や「焦り」という感情に振り回されて、
その奥にある本当に大切な相手の気持ちや
「本質」を見失ってしまうこと。
数値の正しさ以上に、生命と向き合い、
本質を見極めることの大切さ。
今回、毎日の膨大な手計算と、子どもたちのごはんを通して、
本当に大切なことを改めて教わりました。
失敗と猛反省を糧にして、ここからまた新たなスタートです!!
これからも、森を駆け回るレディたちの「リクエスト」を、
データという羅針盤を参考にしつつも、
最後は自分自身の「目」と「心」で
しっかりと受け止めていきます。
今日という一日が、みなさんにとっても、
大切な「本質」に出会える実りあるものになりますように!
それではみなさん、今日もよい一日をお過ごしください。



