
みなさん、おはようございます!
「森林放し飼い養鶏」の本格スタートについてのお話、
本日は第2回です。
昨日、1,500㎡の森の中には、
細かく区切る柵などをあえて作らないとお話ししました。
でもそれだと、また草木を食べ尽くして
森が荒れてしまうのでは?
そんな心配をされる方もいらっしゃるかもしれません。
実はそれこそが、私がかつて直面し、
胸を痛めた大きな壁でした。
あの辛い失敗を、もう二度と繰り返したくない。
森も、鶏たちも、どちらも幸せに生きられる環境を作りたい。
その一心で、私が7年間考え抜いて辿り着いた答え。
それが「空間と時間」の魔法です。
以前の農場では、21,000㎡に7,000羽。
単純計算で「3㎡に1羽」の24時間完全開放でした。
しかし、土壌浸食を防ぐために区画を分けた結果、
最終的には「0.75㎡に1羽」という過密状態になりました。
自然のバランスが崩れていくのを目の当たりにするのは、
本当に苦しい経験でした。
だからこそ今回は、1,500㎡の広大な森に、
わずか300羽の娘たち(鶏)だけを迎え入れました。
つまり「5㎡に1羽」という、
とびきりゆったりとした『空間』の魔法を設けたのです。

そして、もうひとつが『時間』の魔法です。
娘たちがこの広大な森へお出かけするのは、
お昼から夕方までの、1日のうち「数時間」だけ。
朝から晩まで、24時間ずっと外にいるわけではありません。
午前中は、野生動物の心配が一切ない鶏舎の中で、
ゆっくりと過ごします。
産卵箱のある、安全で落ち着けるお気に入りの場所で、
リラックスして卵を産んでもらうためです。
これで、広い森のどこかに卵を産んでしまう
「放れ産み」も防ぐことができます。

そして、待ちに待ったお昼。
お仕事を終えた(卵を産み終えた)娘たちは、
扉が開くと同時に、森へと一斉に飛び出します!
そこかしこに生える桑や、
イヌビワの瑞々しい葉を嬉しそうについばみ、
木漏れ日の下で、大好きなふかふかの土を
力いっぱい掘り返しては、全身で砂浴びをする。
その無邪気な姿を見ているだけで、
私まで幸せな気持ちでいっぱいになります。
そして夕方になると……
実は、みんな自分からいっせいに鶏舎へ帰ってくれるのです。
なぜかというと、
夕方は鶏舎で待つ「メインディナーの時間」だから(笑)。
今までの平飼いの段階から、
彼女たちは「ごはんタイム」のサイクルをすっかり覚えてます。
朝ごはんの時間、おやつの時間、メインディナーの時間。
とうちゃん(私)が一輪車で運ぶ「ごはん」の袋を見るなり、
一目散に駆け寄ってくる姿は、本当に愛おしいものです。
だから私は無理に誘導しなくても、
「ごはんだ〜!」と我先に帰ってくれる。
娘たちが夢中になってごはんを食べている間に、
私はスムーズに卵を集めることができるのです。
この「数時間だけの放牧」というリズムが、
実は「森を守るための大きな鍵」になります。
24時間ずっと開放しないことで、
山の土や植物への負担を最小限に抑え、
森の草木が回復するための
「休み時間」をしっかり作ってあげられるのです。
そしてもう一つ、
大自然と共生するための大切なルールがあります。
それは、「雨の日は、娘たちをお外に出さない」ということ。
雨の日は、娘たちも鶏舎の中で雨風を避けてのんびりと過ごす。
つまり、雨の日は「森にとっても特別なお休みの日」なのです。
たっぷりと恵みの雨を含んだ大地が休まり、
草木がぐんぐんと成長するための大切な休息日。
晴れた日にまた娘たちが元気に走り回れるように、
森全体が深呼吸をしてパワーを蓄える時間になります。

さらに、森に出た娘たちは元気に歩き回りながら、
力強い足で落ち葉や土を掻き分けます。
土を優しく耕し、風通しを良くし、虫を食べてくれる彼女たち、
まさに優秀な「チキントラクター」!
そして、毎日の鶏舎のお掃除のときに出る敷料は、
最高の有機質肥料として、再び森へと還していきます。
この敷料、実はただのフンや土ではありません。
鶏舎の中で、数十億の微生物たちの働きによって、
臭いもなく、ふかふかの美しい状態に完全に分解されています。
娘たちが毎日食べているこだわりの「発酵飼料」の力が、
お腹を通って、足元の土にもしっかりと生きている証拠です。
森の草木が育ち、それを娘たちがついばみ、
微生物の力でふかふかの土へと還って、再び森を豊かにする。
大自然の摂理に寄り添い、動植物が互いに生かし合いながら
「持続可能な環境」をデザインしていくこと。
それこそが、私が目指している
「アグロフォレストリーを活用した森林放し飼い養鶏」であり、
「永続的な農と暮らし(パーマカルチャー)」の姿なのです。
まさに数十億の生命が詰まった「生きている土」の美しい循環。
この農園には、捨てるものは何一つありません。
この生命の循環は、実はお昼間だけのお話ではないのです。
夜になっても止まることなく、
森の中でひっそりと、力強く続いています。
明日の第3回では、
以前の農場を失うきっかけとなった「ネズミ問題」と、
それを解決してくれている夜の住人たちへの「恩返し
(野生動物パトロール)」についてお話しします!
私たちの挑戦は、まだまだ続きます。
明日もぜひ、読みにきていただけたら嬉しいです。
それではみなさん、今日も良い1日をお過ごしください。
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