
娘たちの生命を守る「呼吸」の秘密
みなさん、おはようございます!
前回は、鳥インフルエンザの警戒期に合わせて、
大切な娘たち(鶏たち)を
「ウィンターガーデン」で過ごさせるというお話をしました。
鳥インフルエンザが怖いなら、
ずっと鶏舎のなかに完全に隔離しておけば安全なのでは?
きっと、そう思われる方も多いと思います。
しかし、実は鶏舎への完全な隔離は、
人間でいう「学級閉鎖」の密室と同じこと。
娘たちにとって「非常に危険」な環境になってしまうのです。
なぜなら、鳥類は私たち人間よりも
はるかに呼吸器系の疾患にかかりやすく、「重症化しやすい」という
悲しい宿命を背負っているからです。
人間の肺が、息を行き来させる
「風船」のような構造なのに対し、
鳥類は「気のう」と呼ばれる複数の空気の袋を持っています。

これがフイゴのようなポンプの役割を果たし、
肺の中を空気が常に「一方向」に流れる仕組みになっています。
空を飛ぶために進化したこの構造のおかげで、
鳥類は人間の10倍以上とも言われる
驚異的な酸素交換効率を誇ります。
しかし、この「高性能すぎる呼吸システム」こそが、諸刃の剣なのです。
空気の吸収効率が極めて高いため、
空気中に漂うわずかな細菌やウイルスであっても、
人間以上に効率よく体の奥深くへと取り込んでしまいます。
さらに鳥類には横隔膜がないこともあり、
一度ウイルスが入り込むと、あっという間に全身へと広がり、
容易に重症化してしまうのです。
現在、日本の養鶏の主流となっている
窓のない密閉型の「ウィンドレス鶏舎」を想像してみて下さい。

太陽の光も大自然の風も入らない空間に、
数万羽の鶏たちが密集しています。
大きな換気扇で強制換気しているとはいえ、
ホコリやアンモニアで空気が汚れやすくなる環境のなかで、
懸命に呼吸をしている姿を・・・。
一度ウイルスが侵入してしまうと、
あっという間に「蔓延してしまう」理由がここにあるのです。
現在、娘たちが暮らしているおうちは、
一般的なケージ飼育であればおおよそ1万羽。
アニマルウェルフェアに配慮した平飼い基準であっても、
約800羽〜1,400羽の飼育が可能な広さです。
しかし、今ここに暮らしている娘たちは、わずか「300羽」。
普通に考えれば、十分すぎるほどの空間です。
「でも、これでも全然足りない!!」
私はそう確信しています。
どれだけ鶏舎を広くしたところで、壁に囲まれている以上、
彼女たちが本当に必要としている「新鮮な空気」の流れを
完全に再現することはできないからです。
娘たちの生命を守る上で一番大事なこと。
それは
『常に新鮮な空気が胸いっぱい吸える環境下にすること』
だからこそ、網と屋根で野鳥との接触を完全に遮断して
安全を確保しつつ、澄んだ空気を思い切り吸い込める
「ウィンターガーデン」が必要不可欠なのです!
もちろん、「ウィンターガーデン」を作って
「はい、終わり!」ではありません。
網の目が少しでも埃で塞がってしまえば、
せっかくの心地よい森の風も入ってこなくなってしまいます。

だからこそ、網にたまった埃やクモの巣などを
高圧洗浄機でこまめに吹き飛ばし、
彼女たちのための「風の通り道」を泥臭く守り続けていきます。
では次に、空気中に漂う目に見えないウイルスを
「具体的にどのようにして、撃退していくのか?」
とても重要なお話になりますので、
「大自然の湿度を活用した防疫の秘密」については、
次回の後編でお話しします!
それではみなさん、今日も良い1日をお過ごしください。
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