
【3回目】新章・構想⑤(後編)
大自然の湿度と「ミスト」の魔法
みなさん、おはようございます!
前回は、娘たち(鶏たち)が新鮮な森の空気を胸いっぱい吸い込める
「ウィンターガーデン」の大切さについてお話ししました。
今回はその続き。
防疫において一番の鍵を握る「湿度」のコントロールについてです。
実は、鳥インフルエンザなどのウイルスは「湿度」にとても弱いのです。
湿度が50%〜60%以上の環境になると、
その活動(生存率や感染力)が大幅に衰えることが分かっています。
少し専門的な話になりますが、
1961年、イギリスのG.J.ハーパーによる有名な生存実験があります。
空気が乾燥しているとウイルスの半分以上が生き残るのに、
湿度を50%まで上げると、生存率はわずか「3%〜5%」にまで
激減するという驚きの結果が出ているのです。
なぜ、湿度を上げるとウイルスは弱るのか?
理由は、とてもシンプルな2つの仕組みにあります。
① ウイルスが「重くなって」地面に落ちる
空気が乾燥していると、ウイルスはフワフワと長時間、空気中を漂い続けます。
でも、空気にたっぷり水分があると、ウイルスは水分をくっつけて重くなり、
ポトポトと地面に落下して空気中から姿を消していくのです。
② 喉や鼻の「潤いバリア」が守られる
私たち人間と同じように、鶏たちにとっても「乾燥」は大敵。
喉や鼻の粘膜がしっかり潤っていると、
ウイルスを跳ね返す「バリア機能」が正常に働きます。
この自然の法則、実は私が長年肌で感じてきたことと完全に一致していました。
私にとって、鳥インフルエンザの蔓延時期は、
夜もおちおち眠れなくなるくらい非常に神経質になるもの・・・
でも、かつての農場で雨音が響き始めると、
私はいつも決まってホッと胸をなでおろして、ぐっすり眠れたものです。
雨が降ると野鳥たちは身を潜め、空気中を漂う埃やウイルスは、
すべて雨粒とともに地面へ洗い流されて空気が綺麗に浄化されます。
「雨の日だからこそ、一番安全に娘たちをお外に出してあげられる」
そう思いながら、安心して彼女たちを外に送り出していたほどです。
この「雨の日の安全な環境」を、なんとか作り出せないか?
長い間、ずっと考え続けてきました。
そこでひらめいたのが、夏の酷暑対策として鶏舎に40個も設置した
「ミストノズル」でした!

このミストで空間にたっぷりの潤いを与えれば、雨の日と同じように、
空気中のウイルスが重くなって地面へと落下していきます。
勝負はここからです!
地面に落ちてきたウイルスを待ち受けるのが、
あらかじめ散布しておく「消石灰」です。
消石灰は、水に濡れることで
初めて強い殺菌パワー(強アルカリ性)を発揮します。

ミストで濡れた消石灰の上にウイルスが落ちれば、
約30分で確実に退治(不活化)できるのです。
「上からミストで落として、下で消石灰がやっつける!」
これが、私が考え抜いたウイルス撃退の連携方法です。
しかも消石灰は土の酸性を中和し、草木の生育を助けてくれる優れもの。
自然環境を傷つけることもありません。
娘たちの呼吸器を潤して「免疫力」を高めながら、
落ちてきたウイルスを確実に死滅させる。
さらにスプリンクラーで周囲の草木にも水を与え、
大地の自然な湿度も味方につけていく。
もしかしたら、「机上の空論だ」と笑われるかもしれません。
でも、ただウイルスに怯え、
おちおち寝られない日々を過ごすくらいなら、私は「挑戦」します。
かわいい娘たちのために、今できるベストを尽くす!

限界集落という厳しい大自然の中で生き抜くため、
「徹底した防疫」と「豊かな生態系」を両立させるのが私の覚悟です。
決して平坦な道のりではありませんが、
娘たちの健やかな日々と尊い生命を、私は全身全霊で守り抜きます!
次回の【構想編】では、2ヶ月の我慢を経て……
いよいよ娘たちが森へ飛び出す「放牧のビジョン」をお話しします!
どうかこれからも、私たちの挑戦を温かく見守っていただけると嬉しいです。
それではみなさん、今日も良い1日をお過ごしください!
#しゅりの森自然農園 #しゅりの森第3章 #森林放し飼い養鶏 #アグロフォレストリー
#鳥インフルエンザ対策 #アニマルウェルフェア #命を守る #高知県三原村
#限界集落から未来へ




