<ご報告>
この度、札幌にて開催中の第83回公衆衛生学会にて、研究員の猪川聡美がこれまでの保健室(東京/大阪/愛媛/福岡/北海道/千葉/愛知)参加者1,028名の20歳以上の女性から、154名の骨密度測定を行なった4エリアの参加者データを解析し、ポスター発表を実施したことをご報告させていただきます。
今回の研究のポイントは以下となります。
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・閉経前の女性の約2割が骨密度低下の可能性がある
・低骨密度の割合は東京/大阪が4.5%であるのに対し、福岡が17.6%、愛媛が41.2%と地方都市の女性の低骨密度の割合が高かった
・骨密度正常群と低骨密度群の違いとして、「現在の仕事の有無」と「公共交通機関の利用」がありました。自家用車/在宅と比較して通勤をしている女性の方が骨密度の値が良かった結果です(愛媛県は公共交通機関の利用者がゼロでした)
・その他の研究と同様に<痩せ>もリスク因子でした。
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閉経前の健康な女性の骨密度データは大変貴重です。
また、今回のような大都市と地方都市の実態と背景因子の違いを明らかにできるのはラブテリの保健室が全国開催であるからこその成果であり、改めて離島を含めた全国での保健室開催(測定機会の提供)に意義を感じております。
Nextとして保健室参加者780名分のデータより
食事・栄養との関連を検討した論文を発表予定です。
皆様のご支援により骨密度測定器を購入できたことで、このような実態の把握⇨エビデンスづくり⇨啓蒙に取り組むことができていることにこの場を借りて厚くお礼申し上げます。
若年女性の低骨密度の治療方法はまだ明確でなく、経験している医師の数も少ないのが現状です。ラブテリでは治療にも責任を持って取り組むため、知見のある先生をお迎えし、2025年にクリニックを開院予定です。オンライン受診を含めて早期治療に取り組んで参ります。
11月からは小児を対象とした新たなチャレンジがスタートいたします。
実施風景と合わせてまたご報告させていただきます。
一般社団法人ラブテリ
代表理事 細川モモ