5月25日に始めたこのプロジェクトもあと2日!皆様のおかげで96%まで来ており、本の復刻という夢が見えてきました。
本日は祖父のゆかりの地である岐宿に伝わるお話を紹介しようと思います。
岐宿(きしゅく)鰐川(わにがわ)にS字の形をした石造りの古い橋がありますが、通称を方言で「ワンゴンハシ」といいます。(これは現在、橋の一部が残されているのみとなっています)この橋は高峰十之進の懸け橋と伝えられ、十之進は元禄七年、五島藩祐筆見習いとして史本に登場以来、享保十九年に至る四十年間にわたって藩政に貢献した記録があり、旧鰐川橋はこの間にかけられたものと思われます。
鰐川は長崎県最大級の長さと水量を誇る川で上流に福江島の噴火口であったといわれる山内盆地があり、大雨が降るとすぐに氾濫し、何度橋をかけても流されてしまうので村民は藩主に架橋を願い出ました。
藩主に架橋を命令された高峰十之進は、大雨の後の増水気に村民を現場に集め、一本の縄を持たせて川の両岸に立たせました。その縄を伸ばしたり縮めたりしながら引っ張る力の最も弱い位置を選ばせ、その縄の通りに岳を立てて橋を架けたと伝えられています。それから昭和三十三年に新しい橋ができるまで使われました。
高峰十之進は五島藩の命により各地で公共工事に努めましたが、五島藩の築城問題で罪を得て宇久島の西の寺島に流されました。
ただ、その功績は五島近古年代記に述べられていたりして現在に残されています。