ミュージカル公演の準備を進めている私たちのご紹介をしていきます。
まずは作曲家で当日指揮者をつとめる藤村さん。昨年12月10日のプレ企画から自己紹介シーンと、「フーちゃん」を作った背景についてのお話です。
高校で数学の教員を長くやってきたので「数学だいすき」という歌を作って、自分のテーマソングにしたんです。「勉強はきらいだけど数学は大好き」という歌です!
2011年3月11日、ぼくは地震が起こった時間、(愛知県内の)自宅にいて、その時はとても長く揺れるなと思ったくらいでした。その後、車で市役所に出かけた先でテレビ映像を見て、本当に大変なことが起こったんだ、と知りました。
大人と子どもとがともに作る合唱団として、こんな時に何ができるだろう? 歌を作って発信することで、何かできることを考えたい! その年の秋頃から創作会議を始めてできたのが、第一作目の「フーちゃん」です。実際に起こった原発事故を取り上げた重いテーマだけど、現状を許してきてしまった大人達が「大切なものはいのち」という思いと今後への決意をもつこと、子ども達が「過去は変えられないが未来は変えていける」と希望をもつことがこの作品のモチーフ。子どもと大人が一緒に考えて作り上げる作品です。
第一作目で原発ができる前の時代にタイムスリップした小学校達はもう高校生や大学生になりました。続編、2作目の「フーちゃんⅡ」ではタイムマシンが登場しません。台本を作った清水さんが「SF的になると本当に伝えたい深刻な状況が作り話に映ってしまう。大事なのは10年たった福島のことをちゃんと伝えること」と考えたからです。
実際に合唱団の子ども達が福島に行って見てきたことを舞台に活かそうと考えました。だから、実際に事故で故郷を奪われた三瓶さんが声で登場したり、事故後の福島で農業を続ける菅野さん夫婦の役も登場しています。「フーちゃんⅡ」は現実と向き合い作り上げた作品と言えます。
今回、東京でやることにはハードルがたくさんありますが、東京でやることには大きな意味があります。子ども達もすごいやる気でみんな最高の舞台を作ろうと頑張っています!