最後に僕と妻を繋いでくれた金沢の素敵な皆さんの活動をご紹介します。
日本舞踊紫派藤間流藤の会の藤間信乃輔さん、酒の井波屋の井波成英さん、圓八(あんころもち)の村山勝さん、鶴見印舗の鶴見昌平さんの4名です。
彼らは、2011年からコロナ禍前まで毎年欠かさずに気仙沼の双葉保育園と介護施設「春圃園」に来て頂いて、それぞれの得意分野を活かし様々な支援活動をしています。藤間さんは日舞の体験や演舞の披露。井波さんはその人柄とパワフルな肉体を活かして園児達と遊んでくれました。村山さんは和菓子の本場金沢から自社の餡子を運んでの練り切り体験、鶴見さんは判子作成のワークショップ等。双葉保育園の子供達も春圃園のおじいちゃんおばあちゃんも毎年彼らが来るのを本当に楽しみにしていました。僕自身も練り切り体験のお手伝いをさせて頂いてました。
昼間の活動はもちろん楽しいのですが、それが終わった後に一緒にお酒を飲みながら気仙沼ホルモンをつつくのがまた楽しい時間でした。
皆さん飾らないとても気さくな人柄で、毎年楽しい時間を過ごさせて頂きました。
今回のプロジェクトを始めるキッカケはそんな金沢チームやこれまで支援頂いた全国の皆さんにに少しでも恩返しができればと考え始めたことです。
今は日本中どこで災害が起きてもおかしくない時代になりました。夏の時期には豪雨災害が頻発し、台風はどんどん規模が大きくなり、冬には豪雪により車での移動中に身動きが取れなくなったり、もちろん地震は時間も季節も場所も選びません。日本中が穏やかに過ごす元旦からこのような悲しい災害が起きてしまいました。
3.11から13年が経過して僕にとって縁の深い石川県で大きな災害が起きました。きっとこれからも日本のどこかで悲しい災害が起きるものと思います。でも災害はそこに暮らし復興へ向かい頑張る人達を何倍にも成長させてくれます。僕は3.11を経験してそれを実感しました。きっと輪島塗の皆さんや石川県の皆さんも同じように感じる日が来ると思います。
同じ大きな災害を経験した人間として石川の皆さんに心を寄せ続けたいと思っています。