ベトナム人の夫と共に、自宅の一階を「ラントイ」と名付けて昨年より開いている。「ラントイ」は子ども対象のベトナム語/文化を体験する場や、大人対象の日本語クラブなどの学び舎だ。ゼロから場をつくる産みの苦しみと同時に楽しさを存分に味わっている。
とある研究会にて、私たちのラントイの活動を紹介する機会があった。開設準備中の神戸在日コリアンくらしとことばのミュージアムの代表のキムシニョン氏は「20年前の私たちを見ているようだ」と檄を飛ばしてくださった。
ラントイの活動を行うなかで、圧倒的に足りていないと感じることがある。ベトナム・コミュニティの歴史に出会うことのできるアーカイブである。現在を生きる私達や子ども達が、先祖の道行きを知りたいと思ったとき、一体どこに行けばいいのだろう。市立図書館にあるだろうか、歴史博物館には!?
私は、安心して(甘えるんじゃないと怒られそうですが)、キムシニョン氏の背中を追いかけていきます。
NPO法人Dance Box プログラムディレクター 横堀ふみ