5月11日(土)、ミュージアム開館予定地の新長田カフェ・ナドウリにて2024年度長田在日大学が開催され、金誠さん(札幌大学教授)による講演「帝国日本の朝鮮人アスリート:悲運のジャンパー金源権を知る」が行われました。
戦前戦中、朝鮮半島のアスリートたちが日本で世界で活躍しました。1932年のロサンゼルスオリンピックではマラソンとボクシングに3名の選手が、1936年のベルリン大会では金メダルを取ったマラソンの孫基禎をはじめ、サッカー、バスケット、ボクシングなど合計7名の選手が日本代表として出場しました。
1940年の返上された幻の東京オリンピックが開催されていたら、金メダル間違いなかった金源権さんの朝鮮半島での高校時代と大学(現在の高麗大学)在学中の活躍、日本の慶応大学に留学してからの活躍と戦後の歩みが語られ、アスリートの活躍に注がれる日本政府や植民地朝鮮からのまなざし、当時のオリンピックで演出されようとしていた日本の在り方など大変濃い2時間のお話を聞くことができました。戦後、金源権さんは神戸に飛龍寺というお寺を建立されて住職として人生を全うされます。
その身体能力を武器に駆け抜けた1人のアスリートを軸に戦前・戦中・戦後の東アジアと神戸を見つめなおした2時間でした。