2024/06/03 17:30

羽生市内の商店街などで古くから営んでおられる方は「冨田染工」と言えば、「あぁ素敵な建物よね」と言ってくださるが、殆どの方の反応は「ヤオコーの向かいに、そんな古い建物はあったかなぁ?」と首をかしげる。お庭には沢山の木が植えられており、びっしりと生い茂った枝が、「とみ田や」の外観をほぼ覆い隠している。

建物側から見ても、誂えられた石や、立派な灯篭から察するに、結構こだわって作られたのだと想像するが、灯篭も枝がかかっている状態だ。
とみ田や再生プロジェクトから2年経ち、ようやくお庭にも目が向けられる日が来た。

埼玉県深谷市に拠点を置く「呉藤」さんとはご縁があって繋がることができた。ご紹介だったので面識はなく、男性を想像していたら、小柄な女性が登場。意外だと思ってしまった自分のジェンダーバイアスを恥じた。

彼女は、まるで木と会話しているかのように、さらりと木の枝に身を寄せ、切る枝を素早く判断していく。あっと言う間に、木のてっぺん、二階の高さにまで到達したのには本当に驚かされた。そして枝を切る速さといい、切り口の美しさといい、あらあら!が止まらない。ノコギリを使ったことがある人なら分かると思うが、枝一本切るにも汗をかくものだ。

その見事な仕事ぶりに、うちの娘は「すごいねぇ!」と縁側に座って見惚れていた。娘は相当関心しており、帰宅後も「木をバッサバッサ切っていたのが、すごかった」と何度も言っていた。カッコイイ大人の仕事場に立ち合えて、子どもにとってもいい経験をさせて頂けた。

丸一日作業して頂いたお庭は、なんということでしょう!!
枝の美しさが際立ち、光が差し込んで輝く庭に一変したのだった。枝がかかっていた灯篭も無事にその全貌を表すことができ、とても嬉しそうである。暑い週末だったが、枝が風にそよぐ姿を見るだけで、涼しい気持ちになる。ヒマラヤシダも、ドウダンツツジも、自然に枝が伸びた姿よりも、手を入れてあげるほうが何倍も気持ちよさそうにしている。梅雨入り前のベストな時期に、お手入れしてあげることができて、本当によかった。

とみ田やの縁側で、きれいなお庭を望んで、お茶を提供できる日はもうすぐ。