午前0時をもちましてご支援の募集が終了いたしました。ご支援いただいた方には心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。既に講習会用のテキストの発注をしておりますので当面その費用にあてさせていただこうと思っております。クラウドファンディングは終わりましたが、本当のスタートはこれからです。一人でも多くの似顔絵捜査官に私のスキルを伝え、警察の捜査力の底上げに少しでも貢献できればという思いです。いろんな場面でそのご報告ができると思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
今回のプロジェクトは前々からぼんやりと考えていたことでした。現実のものと意識しはじめたのは、私の年齢が還暦を迎えたためです。高校を卒業して警察官となり似顔絵捜査に携わって23年。退職後に似顔絵師となり丸19年。この間に得た似顔絵のスキルをこの先いかに活用していくか。自分のできること、自分がやらなければならないことをこのまま何もせず埋もれさせていいのか。60歳となり人生の先がなんとなく見えてきた今、のんびり構えていてはいけないなと思った次第です。問題は、残された時間と資金の調達ということで今回クラウドファンディングにチャレンジしました。残り数時間となりましたが、私の想いに共感していただければ、暖かいご支援をどうかよろしくお願いします。
時折似顔絵捜査官にプロの似顔絵師が講習したというニュースを見ることがあります。警察内部だけでなく部外の専門家の講習を受けるのは とても有効です。しかし、プロの似顔絵師たちは捜査似顔絵を描いたことがありません。似顔絵そのものの描き方は教えられても、捜査似顔絵の描き方を教えることができません。決定的に違うのは見て描くか、聞いて描くか。似顔絵の極意は観察にあります。プロの似顔絵師は顔を細部にわたり観察し、特徴点をとらえて似せていきます。しかし、捜査似顔絵は見て描くわけにいきません。犯人は逃げちゃってますから。プロの似顔絵師が描く似顔絵と捜査似顔絵は 似て非なるものなのです。通常の似顔絵と捜査似顔絵の両方の経験がなければならないというわけです。
広島県 広島中央警察署で捜査似顔絵講習会を実施しました。訓示日の午後から 大勢の署員の方に受講していただきありがとうございました。おそらく非番の方や公休の方もいたと思うのでとても恐縮です。全署員を対象とした講習でしたので、普段絵を描かない人も多かったようですが、ずば抜けて上手い人が何人もいて、とても頼もしく感じました。直接似顔絵捜査を担当している人と話をすると、やはり似顔絵を作成する上で困ったことがたくさんあるとのこと。アドバイスすることができてよかったです。実技講習を交え、皆さんリラックスしたムードで楽しそうに受講してもらえたようです。
似顔絵捜査官は、元々似顔絵専門に採用されたわけではありません。一般の警察官の中から選ばれます。しかも、似顔絵捜査官の数はけっこう多く必要なので、需要と供給のバランスが悪い。つまり似顔絵が得意ではない人が選ばれてしまうことが少なくありません。選ばれた人は、警察官の持ち前の努力と根性で日々の勤務をこなしていくことになりますが、どうしても作成上の疑問や問題点がでてきます。かつての私のように。そうした問題点は、長年プロの似顔絵師として活動していくうちに解明さるました。今、困っている似顔絵捜査官を助けたい。私のスキルを伝えたい。それは残りの私の人生の「使命」であるように感じ、今回のクラクドファンディングの挑戦に繋がっているというわけです。