『未来につなぐ実行委員会』プロジェクトリーダーのさわたりゆうこです。
今日はこの活動を通して感じた思いを、書き記したいと思います。この企画の実行委員会メンバーにも届くかなと思いながら綴る、個人的な今の思いです。
そもそも私自身は、大きな被災の経験も、災害支援活動を行なった経験もなく、今回の能登半島地震においては完全なる部外者です。
ただ、一人で地道に寄付を続けるよりも、この企画に乗っかった方が生み出すものが大きい気がする、その気持ちだけで、自分の近しい人が始めようとしていた「何か」に参加しました。
結果、発足した実行委員会のリーダーの一人として、オンライン講演会の立ち上げ、クラウドファンディングの実施、委員会メンバーの取りまとめ、寄付先団体との渉外、そしてプロジェクトページやこの活動報告の執筆などに関わることになりました。
上記以外にも、登壇者の出演交渉、配信機材の準備、配信動画の撮影、告知や広報など様々なセクションで活動しているメンバーがいます。そして皆、無償のボランティアであり、本業の合間にこの企画に携わっています。
当然それぞれに、関われる濃度も、趣旨への理解度も、熱量も異なります。
被災地の力になりたい方、被災の経験を生かしたいと思う方もいれば、日頃からボランティア活動をされている方、自分のスキルや時間を提供したいと考えた方、人脈を広げたくて参加した方、楽しそう!というワクワクだけで飛び込んだ方など、色々な方が、様々な思いと頻度で参画しました。
意見はサッとまとまる事もあれば、割れる事もありました。特に、寄付先団体の選定や、支援金の集め方については何度も話し合いを重ねています。
クラウドファンディングについては、手数料が引かれてしまう事や、今回の期間の短さ、サクセスの難しさ等の懸念がありましたが、その透明性と拡散性が一番の決め手となり、開催期間わずか20日ながらクラウドファンディングへの挑戦を決めたのです。
支援者が現在何名で支援金は合計いくら、そしてプラットフォーム(CAMPFIRE)への手数料が何%、という内訳もクリアになります。そしてプラットフォームに掲載されることで、全く見知らぬ方々にも企画を届けることが出来ると考えました。
今回の活動は、多くのお金を集めることだけが目的ではなく、講演会を多くの方に届けること、誰かのために自分も動いてみようと思う人を増やすことも目的のうちだからです。
この決断が正しかったのか、他にもっと良い策があったのかは今の私たちには分かりません。
手に入れた現地の動画ひとつにしても、出すべきか出さぬべきか意見は割れます。リアルな現状を伝えたい思いと同時に、そこまで深刻ではないエリアへの風評被害を招くことにもなりかねないと考えると、何が正解か、誰にとっての正解なのかが分からなくなります。全方位に配慮することは大事だけれど、全員に賛同いただくことは不可能で、ずっと手探りなまま、不甲斐なさも感じながら活動しています。
熱意が見えない、もっと本気でやったら?という厳しいご意見もいただきました。私たち自身も痛いほど思っています。
関わりたくても時間が確保できずにヤキモキしているメンバーもいれば、楽しくやりたかっただけなのに負担が大きくて日常に支障をきたす人も。安全地帯で楽しくやっていると、そう嫌悪を感じさせてしまわないかとずっと心配している。そして何より、もっと多くの支援金を届けたいと悔しく感じています。
でも、ある時、ミーティングの中でメンバーの一人がこう言ったんです。
「次はもうちょっとうまくやれるよね」
私たちは初め、何をやるかもどうやるかも分からないまま集まった、いわば寄せ集めのチームでした。でもいつの間にか、次もチャリティをやろうと考えている。
あぁ。こうして活動の輪って広がって行くんだなぁと思いました。これこそが、「未来へつなぐ」ではないか。
そう書いたら、甘いって、言われちゃうかな。
本気でやれよってまた言われるだろうか。
良いことした気になってるって、自己満足だって言われるかもしれない。
それでも、寄付に興味がなかった人が動き始めたり、長い関わり合いを考える人が増えることを大切にしたいと思う。
役に立ってても役に立ってなくても、今が全力でも全力でなくても、本気だろうが本気じゃなかろうが、どんなフェーズでも、関わっていけばいい。
価値観が統一ではないからこそ、自分たちが持つ誤解や先入観に気付くこともある。
完璧ではなくても、今の自分で進んでいけばいい。
足りない部分や満ちてる愛に気づくから。
そうやってやれるようになっていくんだ。
そう思いました。
今だって私たちは「チームで一丸となって」なんかいないのです。多様性を受け入れながら、曖昧なまま何となく形を成して、そうやってつながっていけばいいと思っています。
あなたとも輪を広げていけますように、そう願って。