当プロジェクトではブラジル日系社会の持続的な発展を応援するために、宮崎県綾町の伝統文化である「雛山」を飾ります。これは日本側とブラジル側で協力して行う文化共創プロジェクトとして、現地3箇所に「雛山」を展示するために起案しました。
将来、ブラジル・日本それぞれの若者が地球の反対側にいる相手と共に協力し合い、未来を創り出すことができるような、新たなチャレンジプロジェクトです。
こちらは人と森をつなぐ「綾照葉大吊橋」
私たちの住む町「綾町」は、宮崎県のほぼ中央に位置し、人口は6,700人ほどの小さな町です。
町の北と南に川が流れ、西には日本最大級の照葉樹林の森があります(なんと町の総面積の80%を占 めています)。「照葉樹林」は、一年中青々とし、葉の表面はツヤツヤとしています。
昭和41年。この森の伐採計画を町民運動で阻止したことから綾町では森を守るという意識が強まりま した。そして、「健康な土を残そう」と、” オーガニック” という言葉のない時代から町全体で農薬や化 学肥料を使用しない農業へ取り組んだこと、自分の町は自分たちでつくるのだという自治公民館運動な どが評価され、2012年にはユネスコエコパークにも認定されました。
照葉樹林の町。自然生態系農業の町。手づくりの町。綾町。
綾町には、江戸時代にはじまったと言われている伝統文化「雛山」があります。
古来、山の神は女性だと言われており、内孫の長女の初節句には、山の神にふさわしい御祝いをしよう と、親戚や隣近所で山から古木や石を持ち寄り、苔や奇石などで奥座敷に綾の山を再現。そこに雛人形 を飾ったのが「雛山」のはじまりとされ、自然と共に生きる綾町ならではの雛まつりです。
地域みんなでこどもの無病息災を願い、みんなで「雛山」を作る。
地域の絆を大切にしてきた綾町。そしてその絆を深めている一つがこの「雛山」なのです。
苔や古木で綾の照葉樹林を模した山に雛人形を飾ります
毎年2月下旬から3月上旬まで開催される「綾雛山まつり」町内各所に雛山が飾られます
100年以上前のこと。 多くの日本人が夢と希望を胸にブラジル大地に渡りました。
私たちと同じ宮崎県の先人たちもブラジルに多く移住しました。
昨今の移住とは違い、2度と故郷に帰れない覚悟を持ってのチャレンジ。そして永住。
ブラジル日系社会の繁栄を築いた先人たちの苦労と栄光の歴史。
そんなブラジル日系社会の絆は今も脈々と続いています。
令和5年10月に宮崎市で行われた宮崎県人会世界大会では その絆はより強固なものとなりました。
今年はブラジル宮崎県人会75周年の記念すべき年です。
その式典で、光栄にも綾の「雛山」を飾らせて頂ける事になりました!
綾の伝統文化「雛山」が海を渡り地球の反対側ブラジルへ!
先人たちが紡いできた歴史を、「雛山」という綾の伝統文化で華を添えられたらと思っています。
「どうしてブラジル?」
よく言われます。
きっかけは本当に偶然でした。
ブラジル生まれの日系人で結婚を機に宮崎へ移住した野崎里美さんと、綾町の雛山まつり実行委員長の 小野真敬さんの出会い。小野さんは「雛山」の奥深い意義や地域の絆を重視し、伝統文化を守り育てて いくことの大切さを発信しており、雛山をつくる職人でもあります。 野崎さんの「雛山まつりで自分が娘のために飾ってきた雛人形を使ってほしい」との申し出で2人の夢 はふくらみました。
「この雛人形で、いつかブラジルに雛山をつくろう!」
そこに、ブラジルでJICA派遣の日本語教師として3年間勤務していたことのある奥誠司さんが加わり その夢が実現へと大きく近づいたのでした。
ブラジルでは3箇所で雛山を展示をします。
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①8月24日
サンパウロ州サンパウロ市で開催されるブラジル宮崎県人会創立75周年記念式典の会場内
サンパウロ州の中心街セントロに位置しブラジル日系社会の中心的存在。
②8月31日
エスピリトサント州ヴィトリア市郊外イビラス市「禅光寺」創立50周年記念
③9月1日
サンパウロ州モジダスクルーゼス市「市制464周年」
ここは野崎さんの出身地です。
生まれ育った故郷の記念日に野崎さんの娘さんの雛人形を使った雛山を現地の方達と一緒に作成。展示 をします。
今回の3か所の雛山展示の目的は3つです。
①日伯の共創作業でブラジルに雛山をつくる
このプロジェクトの最終目標は「雛山の展示」ではありません。
現地の方と共に雛山をつくりあげることを目的としています。
綾町の「雛山」づくりを通してブラジルにいても日本の文化に触れ、日本を感じていただきたい。
②参加してくれた若者が里山文化に興味を持ち今後の交流につなげる
ブラジルには熱帯の森が、綾町には照葉樹林の森がひろがっています。
同じ、森と生きる者通しの交流は互いの環境にもきっと良い影響を与えるでしょう。
③若者が異国文化を体験することで心身ともに大きく成長する
コミュニケーション不足の現代、人と人の関りが人を育てる。
将来的にそんな共育の場を創り出すプロ ジェクトにしていきたいと本気で思っています。
どうぞご支援よろしくお願いいたします。
プロジェクトメンバー:右から野崎、小野、奥
・奥 誠司(代表:日本側とブラジル側をつなぐプロジェクト企画運営担当)
福岡生まれ。綾町に有機農業移住。農業法人経営。
元中学校社会科教諭。JICAブラジル派遣日本語教師(ヴィトリア日系協会)
・小野 真敬(副代表:現地にて総指揮・雛山制作担当)
綾町生まれ。飲食店経営(蕎麦処まる)。綾町まちづくりネットワーク協議会会長。
綾雛山祭り実行委員会委員長。
・野崎 里美(事務会計:ブラジル日系社会及び宮崎県人会担当)
ブラジル生まれ(モジダスクルーゼス市)。日系2世。宮崎市在住。
宮崎南米を語る会代表。県費留学生担当窓口。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
・ブラジル渡航費 往復 50〜60万円×3人分 180万円前後
・ブラジル滞在費 1週間〜10日 1日1万円×3人 30万円前後
・雛人形輸送費 往復60万円前後
・現地費用 10〜30万円/3箇所 30〜90万円
・その他返礼品原価/CAMPFIRE手数料
*現状ブラジルでの現地スタッフは有志でボランティアの方が参加してくださる予定ですが、日本から伺う立場としてしっかり報酬をお渡ししたいと思っております
<スケジュール>
5月31日:クラウドファンディング終了
6月中旬までに:渡航スケジュール確定、チケット確定
8月21日出発~9月3日まで:ブラジル滞在(3名、帰りは別便)
8月24日サンパウロ州サンパウロ市(ブラジル宮崎県人会75周年式典)
8月31日エスピリトサント州イビラス市(禅光寺創立50周年式典)
9月1日 サンパウロ州モジダスクルーゼス市(市政464年)
最新の活動報告
もっと見る帰国報告 第3弾 感謝感謝のブラジル訪問!
2024/09/24 12:00皆様、ご支援ご協力ありがとうございました。帰国報告最終稿です。色々とありましたが、結果的に大成功だったと私は感じています。雛山実行委員長の小野さん、副委員長の池田さん、この両名を中心に本当に素敵な「雛山」がブラジルに出現しました!ヴィトリアでは、超巨大大仏の近くの大仏堂にて、大仏の前に可憐な姿で…関わってくださった皆様のお陰で素敵な旅になりました!その最終目的地・ヴィトリアについて書かせて頂きますね。ここヴィトリア市はリオデジャネイロ州の隣で、北東に位置するエスピリトサント州の州都です。人口は40万弱。海岸沿いの美しくて治安が良い街です。個人的な話をしますが、30年前にここヴィトリアでJICA派遣の日本語教師をしていました。日本語教師・野球部監督・和太鼓指導と色んな業務を、ヴィトリア日系協会のもとでさせて頂きました。お陰様でとても有意義で充実した日々を送らせて頂きました。その関係もあり、今回までに4回のヴィトリア訪問をさせて頂きました。今回の雛山づくりも、日系の皆様に相談し、快く引き受けてくださり実現にこぎつけました。日系協会で飾るよりも、近くのイビラス市禅光寺の50周年式典会場で飾った方がいいのでは、というアドバイスを頂き、お寺の大樹さん・研道さんの了解を得ての実施となりました。素敵な式典にての展示に本当に感謝です。雛山づくりに関しては、サンパウロとは違いコケがなく、少し工夫が必要でしたが、そこは雛山づくりのプロが2名、立派に素敵な雛山に仕上げてくれました。禅光寺の記念式典会場の一角に飾らせて頂き、そして式典でも松本綾町長と、池田雛山副委員長がステージ上で、会場にいる500名を超える聴衆に、綾の雛山の説明をさせて頂きました。宮崎・綾の雛山が、地球の反対側・ブラジルで認知された瞬間です!!! 本当に嬉しかったですね。式典終了後の余興の部門で、和太鼓の演奏がありました。30年前に設立したヴィトリア太鼓クラブのメンバーたちが、今回のために部を復活させて演奏してくれました。聴衆から熱烈な拍手を浴びていました。とても素敵な式典となりました。ヴィトリア日系協会と禅光寺のご協力に感謝です。ヴィトリア日系協会の歓迎会が、式典の前日にありました。大勢の方が集まって頂き、皆さんの持ち寄りで美味しい食事を頂きました。ヴィトリアでも、日系の有志の方々と夕食会にも行きました。ここヴィトリアは8月28日から9月1日までの5日間滞在しました。28日に到着し29,30の2日間かけてイビラス市の禅光寺に出かけて雛山づくりをしました。その2日間、夜は日系の方々と食事を通しての交流、29日には松本町長が合流し、31日の式典参加となりました。サンパウロに始まり、モジダスクルーゼス、そしてヴィトリア。どこも同じように多くの方々に歓迎され、そして濃密な日々を過ごさせて頂きました。まだまだ、書き足りないことや、伝えたいことはたくさんありますが、この辺りで幕を閉じたいと思います。ここヴィトリアでは、空港到着時点から歓迎の文字で迎えられ、空港を去るときにも大勢の皆さんに見送られ、感謝感激の一幕でブラジルを旅立つことになりました。ブラジル雛山づくり! 人とのつながり!これから、新しい「人と人の交流」が始まります。綾とブラジル。遠くて近い存在だと思います。たくさんのご支援を頂いて進めてきたこの事業。帰国をもって一旦終了いたします。しかし、今回の小さな一歩が次につながっていくと確信しています。同行したメンバーを代表しまして、皆様に心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。 もっと見る
帰国報告 第2弾
2024/09/18 12:00今回は、第2回目の雛山展示場所。サンパウロ州のモジダスクルーゼス市について。ここモジは、人口45万人ほどある中核都市。ブラジルの中でも日系人の多い町です。そして、あの有名なサッカー選手・ネイマールの出身地です。さて、このモジでの雛山づくり。材料や道具は県人会の式典で使用したものを活用。その一式は、当地モジの山本さんが式典会場からこの地までトラックで運びこんでくれました。感謝。また、制作に関しては、一度式典での経験があるため、段取り及びイメージに関しては問題なく、スムーズに運びました。ほとんど、小野委員長と池田副委員長の2人がタッグを組んで、ドンドン作り上げていきました。そして、息子の創平がサポートするという要領で完成に至りました。ここモジは実行委員会メンバーの野崎里美さんの故郷です。野崎さんは宮崎県の清武町(現宮崎市)で子育てをされ、その際に使用した「雛人形」をこの地に持ってきて展示する、ということでこの事業がスタートしました。そのおかげで、今回、ブラジル3か所で雛山展示を実行することができました。野崎さんご夫婦に感謝ですね。ここモジでは、野崎さんの故郷だけあって、友人知人の方々にとてもよくして頂き大歓迎でした。雛山製作に関しても、道具の準備や材料調達に全面協力頂きました。そして、それだけでなく市長への表敬訪問や、昼・夜の食事会など、たくさんの御もてなしをして頂きました。日本とブラジル、距離は離れていても、思いを行動に移せば、本ものの人と人の交流が産まれます。そんな時間がここモジでも感じることができました。*モジダスクルーゼス市長室にて*市長さんを囲んで*シュラスコ、最高でした!モジには8月25日からの3泊4日で、滞在しました。制作に余裕を持って2日間時間を取りました。ここモジの雛山も本当に素敵なものが出来、市長さんの許可を頂き9月いっぱい展示することができるようになりました。*雛山の説明をポルトガル語で表示して頂いています。*チームワークで頑張りました!素敵なモジの街を後に、最後の展示場所ヴィトリアへ向かいます!次回の報告も楽しみにしてくださいね。 もっと見る
帰国報告(雛山づくり大成功!)
2024/09/10 15:00ご支援頂いた皆様へ帰国報告をさせて頂きます!ご無沙汰しております。今回のミッションですが、無事大成功のもと、9月3日に帰国いたしました。約2週間の旅程で、色んなことがあり、たくさんの報告内容となるため、2~3回に分けてご報告させて頂こうと思います。当面今回は、「雛山づくり」のメイン、ブラジル宮崎県人会75周年記念式典でのことを中心にお伝えしていこうと思います。お陰様で大成功!!!サンパウロ州の州都サンパウロ市の中心地域・リベルダージ(東洋人街)にあるブラジル日本文化福祉協会の体育館内で行われた記念式典にて、堂々たる綾の雛山が出現しました!皆さん、いかがですか?イキイキとした宮崎・綾の雛山が再現されていますよね。これがブラジルのサンパウロでお披露目されたのです!雛山実行委員長の小野さん・池田さんの努力と苦労もあり素敵な雛山に仕上がりました。そして、なんといっても現地サンパウロ州イビウーナから材料や道具を運んできて頂き、制作にもサポート頂いた高野さん親子の存在がとても大きかったです!!!*写真、左から2番目が高野さん。トラックの上にいるのが小野さん。感謝してもしきれないくらいです。日伯の共同合作ですね。日本のまごころ文化花開く、という感じですか。この制作を通して日伯の絆がとても深まりました。さて、今回の式典の雛山ですが、皆さんの協力で丸1日で仕上がりました。会館使用の関係もあり超特急で作り上げています。だからこそ、みんなの力で協働しながら、交流も深まっていきました。その過程を写真で数枚上げますね。そして・・・完成!!!この雛山が式典にて花を添えました。また、雛山実行委員会が感謝状を頂き、小野委員長が感謝状を頂きました!そして、宮崎県を代表する方々と写真撮影をし、我々制作メンバーも記念に写真を撮りました。*写真、右から2番目が高野さん、中央が高野しんたろうさん。終了後、ブラジル宮崎県人会長の蛯原さんからも感謝の言葉を頂き、我々の目標であった、ブラジル日系社会へ奉仕貢献するという使命が一つかなったところでした。昼食後に、余興の部に入り、太鼓の演奏やサンバの披露もありました。*日伯共演の和太鼓。宮崎県議会副議長の野崎議員と高野信太朗さんの共演。本当に盛り上がって、式典の幕を閉じました。これも、我々メンバーの思いからスタートした事業で、ここまでできたかという自負もあります。切っ掛けの野崎里美さんの子育てに関わった「雛人形」。これをブラジルへ!という思いで、里帰りの計画を立てました。野崎さんの雛人形を、いつかブラジルへという思いを胸に、綾町の雛山祭りで小野さんが使ってくれたことが橋渡しになりました。そして、今年の式典で実行。いろんな紆余曲折がありましたが、なんとか目標を達成することができました。ご支援頂いた皆様、本当に心から感謝申し上げます。最後に、追加で少しだけ。今回、資金的には十分な余裕はなかったのですが、2人の青年が志高く、協力サポートしてくれました。池田和幸さん(綾町役場職員、雛山副実行委員長)奥創平さん(綾町出身、長崎大学4年生) ←私の息子ですが…。この2人のお陰で素敵な雛山の制作の旅?となりました。2人とも自費での参加。自分の成長への投資と思って合流してくれました。本当に頭が下がる思いです。こちらも感謝で一杯です。さて、今回はサンパウロの雛山についてご報告させて頂きましたが、あと2か所(モジダスクルーゼス、ヴィトリア)については、また追ってご報告させて頂きます。簡単ですが、とりあえず第1報という事でご了承ください。本当にありがとうございます。綾日伯文化交流実行委員会 奥 誠司 もっと見る
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