松沢漆工房の松沢です。
クラウドファンディング終了後もさまざまなご縁をいただいています。
2011年の東日本大震災の津波で流された旧吉田家住宅(岩手県指定有形文化財)の復旧工事が現在進められています。大きな茅葺きの豪壮な家で、陸前高田の宝ともいえる建物です。
内装についても新規に建具を作ることになり、帯戸が拭き漆塗りであったということで、この建物復旧の技術指導をされておられる窪寺茂先生(建築装飾技術史研究所所長)から陸前高田市教育委員会にご提案があり、当社で拭き漆のサンプルを製作することになりました。
ちょうど、今野風花さんのことが岩手日報で報道されたタイミング(3月中旬)でしたので、今回の経緯をお知らせしたところ、ぜひ同じ気仙地域出身の漆職人に塗ってもらいましょう、ということになったのです!
窪寺先生は全国の名だたる文化財建造物の保存修理を実践指導され、岩手ですと中尊寺や正法寺等にも深く関わられてこられました。私も大変お世話になっている方です。
(写真の左側が窪寺先生、右側が今野さん)
このほど今野さんが手掛けた拭き漆のサンプルが出来上がり、窪寺先生に花巻までお越しいただいて確認していただきました。色合いは問題ないとのことで一安心。あとは部材の品質の課題が見受けられ、それが解決すればスムーズにいきそうです。
気仙地域に新たな漆の風が吹き込みつつあります。