長年の願いであった水、いよいよ井戸堀りの工事が始まった。
真言宗醍醐派の総本山醍醐寺の山は観音様の化身である清瀧権現が降りた峰とされ、そこに湧き出る水を醍醐水として大切にしていますが、神崎寺の境内にも水とエネルギーの湧き出す場所が欲しいと考えてきました。特に神崎の地は地下水と米によって日本酒造りが盛んな土地柄でしたので水の質はお墨付きみたいなものです。もちろん、神崎寺の結界の中に湧き出す泉ですから、龍神様をお宮にお祀りしようとしています。神崎寺の大日山は右(西)のほうから続いてくる峰の東端にあたり東の龍穴にあたります。最高のエネルギ―のあふれだす場所と力のある水となること間違いなし。
多くの皆様が井戸掘りと龍神を祀るための勧進に応えてくれて、いよいよ多古町の井戸掘り職人北総地水さんに依頼しました。
令和6年6月20日、その井戸堀りがいよいよ始まりました。
場所はかねてより、「ここしかない!」と和尚様が決めていた場所です。さて、ホントにこの場所で水は出るのでしょうか? 井戸掘りというのは、もちろん目に見えない土の中を何メートルも掘るのですが、時として、出ない、なのにたった1m横からでることもあるのだそうです。だから、ここは和尚様と龍神様の相性が問われます。和尚様は龍神様に愛されているのでしょうか?少々の心配をしながら見守ります。
ドリルマシンが動き始めました。この太さで地中に穴が掘られていきます。
龍神様に嫌われないかと心配な和尚様は穴をのぞき込みます。
井戸掘りというものは深く掘ればいいというものではないのだそうです。最高の水が出る深さでストップして、「ここだ!」と決め打ちできるかどうかが井戸掘り職人の腕なのだそうです。
井戸を掘り始めると、間もなく、
おっと!井戸から龍神様がやってくる前に龍神様登場!大きな青大将でした。これは出るぞ!
掘り進んでいきます。水が出るところまでは到達しているようです。あとは、どの深さが最高の水の層なのかを見極めていきます。
全く判りません。この砂の違いを見て水を読み切るのだそうです。
親方に聞いてみると、「決まりました。」と自信のあるひとこと。かっこいい!職人だ!
でました!いい水がでました。一発でしたね。和尚様と龍神様の相性は相思相愛のようです。「ここから出てきてくださいね」という場所からしっかり現れてくださいました。
水の質はまだ検査していないのですが、調べなくてもわかるような良い水のようです。
これからポンプをつけて、電気を引いて、配管をして、いよいよお寺の水が変わります。
そして水掛不動に不動滝をつくり、清龍権現の御宮を用意してきちんとお祀りしていきます。お水は命の源として日本では最も古くから大切にされてきた信仰の一つです。現代の便利で豊かになった時代にあっても恵の水が湧き出るということに喜びと感謝を忘れることなく大切にお祀りしていきたいと考えます。清龍権現宮を祀るまではまだまだ道のりがありますが少しづつでも確実に実現していきます。皆の努力で勧請することができた龍神様を後世に伝えるように、思いが形となって残っていくように頑張ってまいりましょう。
どんな味のお水でしょう?どんな滝になるのでしょう?どんな御宮が祀られるのでしょう?楽しみがとまりません。みんなも神崎寺に来て、確かめてください。