ある日、ネットで「至急預かりボランティアさん募集」という記事を見かけました。
すでに数年預かりボランティアをしていた私は、すぐにでも預かりができる環境でしたが、諸事情により預かりを一時止めていた時期でした。
しかし、どうにも保護犬たちが気になり、そのような情報を見ては「預かりボランティアしたいなぁ」と思っていたところでした。
「うちで預かれますよ」と連絡をしてみたところ、とんとん拍子に預かりが決まりました。そうしてやってきたのが、「焦げパン」です。
焦げパンは宮崎の管理センター(当時はそんな名前だったと思います)からやってきました。「噛む犬」として殺処分直前だったのを、宮崎の団体さんが引き出し、東京の団体に移送されてきたのでした。
しかし、預かってみると「噛む」と評価されたのが疑問に思うほど甘えっ子でした。うちに来るなりまるで自宅のようにくつろぎ、ナナコに叱られても平気な顔をして、杏子とはしゃいで、当たり前のように 私の腕枕で寝ていました。
私も腕枕ができる犬が初めてだったこともあり、すぐにメロメロになってしまいました。
そんな中、ある日ナナコとちょっと強めの喧嘩になってしまいました。慌てて止めようと、やってはいけないことをしてしまいました。ナナコと焦げパンの間に手を入れてしまったのです。
腕に痛みが走り、焦げパンが「ヤバイ」という顔をしてサササーっと飛びのきました。焦げパンに思い切り噛まれたのでした。
時はクリスマス。慌てて病院に行き、「飼い犬にかまれた」と言って消毒と破傷風の注射を打ってもらいました。
すぐに年末なので消毒液を貰い、私は膿んでしまう傷跡を毎日消毒をして過ごしました。皮がすぐに塞がってしまうので、ピンで皮を剝ぎ、膿を絞り、消毒液を注入すること10日間、やっと綺麗に治り、ほっと一安心です。
因みに、翌年末は焦げパンを腕枕して寝ていたところ、寝返りを打って焦げパンを叩いてしまい、寝ているところをいきなり叩かれて怒った焦げパンにまた思い切り噛まれてしまうのでした。
また「飼い犬にかまれた」と言って病院に行ったところ、「またですか」と言われました(笑)
そんなことはありましたが、基本的に焦げパンは人間大好きな甘えっ子で、私から見ると「何の問題はない」犬です。譲渡会でもモテモテだったのですが、何故か希望者が現れても先に続かず、2年半も我が家にいました。
最終的には都内の高級住宅地に住んでいる人に貰われて行き、宮崎の野犬から都内のシティボーイになったのでした。
一時期は、「噛み犬」と言われて殺処分直前まで行ったのに、今は都会で友達もできて幸せワンコです♪