6月30日の活動報告にてリリース報告した猫の話を、BIRDがアルファポリスにて執筆中の【八重山諸島の犬猫の話】より抜粋して以下に記しておきます。
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【猛猫リンネの物語】の主人公リンネは、TNRのつもりで捕獲された猫だった。
ラリマーメンバーのNKさんが餌付けして2週間ほどでケージ誘導捕獲に成功。
術前から術後の抗生剤投与期間だけ預かる予定だった。
ところが、密かに妊娠しており、なんと避妊手術予定日の前日に出産。
我が家で過ごした2ヶ月間、最初から最後までずっと、リンネは猛獣のように狂暴だった。
ケージから5cm圏内に手を近付けたら、ジャンプからのパンチがくる。
食器はウサギ用品のケージ固定タイプを付けたままにして、サランラップの芯を差し込んでドライフードをザラザラと入れていた。
サランラップの芯を噛むのでやがてボロボロになる頃、塩ビパイプと漏斗を組み合わせての給餌に切り替えた。
掃除のため猫トイレを出し入れする際は、手を入れると噛まれるのでマジックハンド使用。
荒々しい姿をSNSでUPしていたので、見た人は誰もが猛猫だと思った筈。
なるべく近寄らないように、猛猫アタックを避けるため、いろんな道具を使った。
仔猫たちは母に似ず穏やかで人懐っこかったので、生後1ヶ月半頃に預かりボラ宅へ移動させた。
現在の仔猫たちは、民宿の1室貸し切りで生活しながら、のびのびと成長し続けている。
リンネは仔猫と離して単独飼育した2週間、変わらぬパンチを飛ばしていた。
たっぷり栄養と休養をとらせて出産育児の疲労を回復させた後、TNRの避妊手術を済ませたのは6月24日のこと。
術後は病院搬送に使ったキャリーごとLケージに入れたら、引きこもって出てこなくなった。
6月30日にリリースしたときは、キャリーに篭ってるところをトングで扉を閉めてLケージから取り出し、車に積み込んで元いた場所まで運んだ。
このときもしっかりシャーパンだったので、我が家に滞在した期間中パンチしない日は無かったといえる。
リンネはまだ1歳くらいの若い猫だった。
元いた場所には、リンネの母や兄弟がいる。
リリースから1週間が過ぎた7月7日、リンネに仔猫の頃から餌やりしていた方から画像が届いた。
画像を見て、あまりの変わりように驚く。
撫でられてる?!
思わず二度見したよ。
我が家ではこんな姿は全く見たことがない。
ずっと威嚇とパンチの日々だったのに。
餌やりさんは動画も見せてくれた。
うちで暴れ続けた猛猫とは思えないスリゴロっぷり。
リリース後のリンネはとても穏やかで、餌やりさんにくっついて甘えていた。
元の場所に帰れた喜びが感じられる。
それを見たとき、僕はリンネを外へ返して正解だったと確信した。
屋外で暮らす猫たちは短命だ。
石垣島の野良猫や地域猫の平均寿命は2~3年程度、仔猫は半数以上が大人になる前に死んでいく。
だけど、リンネのように狂暴化する猫は、TNRして地域猫にするのが一番だ。
ストレスを感じながら長く生きるよりも、短くても楽しく生きる方がいいと思う。
リンネにはこの先、望むまま自由に生きてほしい。