こんばんは、ARCH共同代表の北畠拓也です。
酷暑が続きますが、みなさま体調など崩されていませんか。
さて、本日からは『世界のストカンから』と題して、海外の都市で行われているストリートカウントをご紹介します。(タイトルが某番組を彷彿とさせますが…ご容赦を。。)
東京では2016年1月にARCHがはじめて実施した市民参加による路上ホームレス人口調査である、「ストリートカウント」。
実は世界中の様々な都市で実施されています。
2000年代半ばにアメリカ合衆国で全国的に行われるようになり、近年ではアメリカに倣うように市民参加のストリートカウントを実施する都市がパリやブリュッセル、アテネ、…など広がってきています。
わたしたちARCHのメンバーは、これまで海外のホームレス問題を調査・研究する中で、ロンドン、シドニー、ニューヨークのストリートカウントに参加してきました。
各都市のストカンに参加した時、そこには、市民が自分のまちのホームレス問題に向き合い、深夜の街を歩く、優しい都市の風景がありました。私は「この風景を、東京でもつくりたい!」と強く思い、各都市のストカンを元にして、東京ストリートカウントをはじめました。
今日から3日間、東京ストリートカウントの元となっている、3都市のストリートカウントについて、みなさんにご紹介していきたいと思います。
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【世界のストカンから~ロンドン編~】
第1弾の今日は、ロンドンのウェストミンスター特別区でのストリートカウントです。
わたしたちは3年前の9月に参加してきました。
ビジネス街も繁華街も、ターミナル駅もある、日本でいうところの新宿のようなイメージでしょうか。面積も新宿よりひとまわり大きいくらいです。
約50名の参加者は真夜中23時にデイケアセンターに集合し、十数班に分かれて調査をします。行政職員やアウトリーチワーカー、学生や会社員がいました。班には必ず、そのエリアを熟知したアウトリーチワーカーが含まれているので安心です。
わたしが参加したのは、SOHO地区という繁華街で遅くまで賑わっています。少し路地に入ると、何名もホームレスの方がいました。同行したワーカーによると酔っぱらいによる襲撃もあるそうです。
(ロンドンストカンにARCHメンバーが参加した様子)
ロンドンでは、路上生活している人の個人カルテのデータベースが整備されており、日常的なアウトリーチによって、ワーカーはかなりの精度でそれぞれの方のことを知っているようです。
ストリートカウントは、そうした活動を市民にしっかり確認してもらう意味もあるということでした。
それでも、こうして隈なく調査をするとはじめて出会う方もいて、その際には必要な支援がないか、など話しかけていました。
深夜2:30頃に調査を終えて集合場所に戻り、それぞれのエリアの状況を報告しあいました。
ロンドンの中心部の観光地でもあるこのエリアですが、深夜に歩くことで日中とはまた違う都市の姿に出会った思いでした。知らない街を深夜に歩く不思議な体験は、新しい都市の見え方を教えてくれました。
同時に、東京でこれをやってみたら、どんな風に見えるだろうか…と考えたのでした。
その後東京でストリートカウントを始めるまでにも、様々な顛末があるのですが、
「これは別の物語、いつかまた、別のときにはなすことにしよう」
ということで…。
明日はシドニーより、お送りします。
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