こんばんは、ARCHの片田です。
あっという間に8月となり…いよいよ、東京ストリートカウントま で残すところあと2日となりました!
ARCHは今日も直前準備にいそしみつつ、今日から8月5日にか けての動きを念入りに確認しております。
本日からこの活動報告ページでは、
・リアルタイムでのご報告
・ARCHメンバーそれぞれが目指す未来
を並行してご紹介していきたいと思います!
今回は、【ARCHメンバーが目指す未来】第一弾としてARCH共同代表の北畠より、
『オリパラという機会に向けて目指すもの』
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こんばんは、ARCH共同代表の北畠拓也です。
ARCH(Advocacy and Research Centre for Homelessness)は、
東京が2020年のオリンピック・ パラリンピック開催都市に決まったことを機に発足した、ホームレ ス問題の研究・アドボカシーを行う市民団体です。
中心となったメンバーは、 過去のオリンピック開催都市などでホームレス支援政策の調査をし てきたメンバーです。
過去のオリパラ開催都市では、 街をきれいにする過程でホームレスの人々を追い出したり、 不当に逮捕したり、という例がありました。
華やかな大規模イベントの影で、社会的・ 経済的に弱い立場にある人が周縁に追いやられてしまうことは、問題が解決されないばかりかより見えなくしてしまいます。
一方で、 僕たちが調査し出会ってきたシドニーやロンドンの人々は、オリパラをむしろ契機と捉え、 ホームレス状態にある人々と本気で向き合おうと、 そして後の世まで残るレガシー(遺産) を創ろうとしていたのでした。
素晴らしい人々に出会い、その取り組みを知ってしまった以上、 東京でも僕たちがなにかアクションを起こさなければ! と思ったのです。
ーオリパラ開催まであと2年。
僕は、 ホームレス問題に対して本気で取り組む都市の姿勢を示すものとし て、Tokyo Protocol(東京版プロトコル) をつくりたいと思っています。
お手本としているのは、シドニーの例です。
2000年のシドニーオリンピックが行われたオーストラリアのNSW州には、「公共空間にいるホームレスの人々のための議定書( プロトコル)」があります。
【シドニープロトコル『公共空間にいるホームレスのための議定書』】
※NSW州政府等による正式な翻訳ではありません。(翻訳:河西奈緒)
これは、「ホームレス状態にあっても、 他の市民と同様に公共空間にいる権利があること」「 自傷他害の恐れがあったり、支援を必要とする場合以外は、 介入されない」という旨を、行政部局間で約束したものです。
ホームレスだからといって追い出さない、 ということを宣言するこではじめて、ではどうしたら包摂できるか? ということを本気で考える必要に迫られるのです。
これは、都市としてホームレス問題に向き合う姿勢を示す、 勇気ある態度だと思います。
東京でも、こんなプロトコルを創りたいのです。
「ホームレス状態」は、いろいろな理由から、 今ある福祉などの制度では解決されなかった状態だとも捉えられます。
「ホームレス問題」とは、 そういう状態があるのに見て見ぬふりをしたり、放置したり、 見ようとしない社会や都市の側の問題です。
だから、この社会・都市に住むみんなで、「見よう」「知ろう」「 考えよう」とすることがとても重要なことだと思っています。
いろいろな立場のひとー大学生や研究者、 ホームレス支援に携わるひと、様々な周辺領域に関わる人、 行政や議会、メディアや一般企業、地域の組織など、
東京のいたるところで、あらゆる人々とお話をし、 ストリートカウントに誘い、一緒に東京を歩き、街を見て、 考えていく。
そういうプロセスの先に、みんなで考えた東京オリジナルのプロトコルを創りたいと思います。
冒頭の絵は、そんなイメージを表したものです。
今回の東京ストリートカウントは、既存の調査でわからないホームレス状態の人の実数を把握することに加え、これほど多くの、そして多様な人々がホームレス問題を考え、実態を見ようとしていることを、 社会に伝えることも大きな意義があると考えています。
僕たちも含めて、1000人の市民が見た東京の姿を、 まずは社会に伝えましょう!!
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