福井駅前短編映画祭代表の木川です。今回は本プロジェクトに参加していただける監督を紹介します。
昨年度、小規模で月に一度開催していた福井駅前短編映画祭を年に一度にし、商業映画館を貸し切って開催する映画祭にリニューアルして。それまでは代表が個人的にお願いして上映作品を選んでいたのですが、年に一度になってからは、俳優、津田寛治さんに審査委員長をお願いしてコンペティション形式にしました。
その福井駅前短編映画祭2015のグランプリに輝いたのが「ココニ・イルヨ」、今回紹介する神谷竜仁監督の作品でした。津田寛治さんも絶賛の映画でした。
私自身も応募全作品を見ました。多くの優れた作品が集まりましたが、その中でも「ココニ・イルヨ」は、見終わったあと涙が止まらなくなってしまい、それから他の作品を数日間見ることができなかった、それほどの作品です。
神谷監督は、プロの映像製作者です。経験も技術もある。世の中に経験と技術がある製作者は多いでしょう。しかし、神谷監督にはそれだけではありません。心があるのです。熱い熱い心です。昨年の映画祭では、応募用紙に、監督の映画観を書いてもらう部分がありました。用紙には映画への愛情があふれる言葉がぎっしりと書かれていました。
今回、ムービーハッカソンを開催するにあたり、映画祭の審査委員長に意見を聞きました。津田寛治さんは「神谷さんの作品が見たい!」とおっしゃいました。僕もそれに深く同意しました。「はい!僕も神谷さんの作品が見たいです!」と。
神谷監督は、寡作の監督です。そのため、いろいろな映画祭で、神谷監督の作品をもっとみたい!というファンたちの声をよく聞きます。ムービーハッカソンは、即興で映画を撮るイベントなので、神谷監督が綿密に計画して、撮りたいものを撮る、そういう作品を作る場ではないかも知れません。
しかし、僕は神谷監督のあの熱い心に参加者たちは大きく影響されるその現場を本当に楽しみにしているのです。そして、監督と参加者の心が一つになって映画が生まれる。このプロセスこそが、神谷さんの映画なのかも知れません。
福井駅前短編映画祭は「街」をテーマとした映画祭です。街は一人の人間が住む空間ではありません。多くの人が集団で形成する空間です。だからこそ、混沌が生まれる。しかし、混沌はパワーです、力です。
ムービーハッカソンも、一人の人間が作る空間ではなく、混沌が生む力を活用する映画製作現場です。
神谷監督だからこそ、この混沌の力を思う存分に操れる監督だと私は思います。
ぜひ、神谷監督の作品に期待してください!