10月17日に試作ビールに取り掛かります。ブルワーとの念入りな打ち合わせを済ませ、いよいよ未だかつてないレシピで挑みます!皆様どうぞ引き続き応援よろしくお願いします。
本日は、有機農家の現状とその役割について少し話をしたいと思います。
日本には、有機農家の生産を買い支える仕組みがありません。その為、生産者は自ら販路を獲得せねばならず、同時に有機栽培は未だその栽培方法が確立されていないので、生産量がとても不安定です。生産規模も小さい事から市場認知も広がりません。これらの課題をいかにして取り除いていくのか、、これが私の就農直後からのテーマでした。
農薬を使わない生姜栽培はとても難しく、条件の異なる圃場で毎年一定の生産量を維持するには、まだまだ実証試験栽培が必要です。同時に作物に合わせた圃場整備も必要です。自然栽培で一定の生産量を見込むには、地形を無視した圃場設計では成立しません。地形と水脈に添った圃場設計、雑木を育てる山林設計など、海から山への水の循環デザインが有効で、これは1000年先を見据えた農山村設計そのものです。
一方で、人口が減少している現代では、全ての農山村の再編成に税金を注ぎ込むことは出来ませんから、農水省は団地・産地化政策を掲げていて、生産戦略(ビジョン)を持つ集落ないし自治体にお金が流れる仕組みを作ろうとしています。裏返せば、ビジョンを持たない自治体は猪、鹿、猿が住む場所になるということです。
私は、どちらでも良いのだと思っています。全てに人が住む必要はありません。しかし、自分の住む場所は護らなければならない。そして、私達には、護りたい土地や文化を選べる自由があります。
日本国土は世界的にも特別な土を有している国で、四季折々多彩な色で構成されていますが、この豊かさは全て土から出来ています。私はこの豊かな土を護り育むために、その手段として自然栽培の生姜の生産に取り組んでいます。
目下の課題は、安心して新規就農者を増やせる生産環境を作ることです。その為に必要なことは、
1、安定生産への実証栽培の支援体制を整えること
2、栽培関係者人口を増やすこと
3、農村と都市の移動リスクを下げること
今の日本では有機栽培の指導者が少なすぎます。必要なのは理屈ではなく実践です。隔離された実験圃場での数例で全てを語れるほど単純な世界ではありません。私達は今から未来の農村をつくる実践者と指導者を育てなければなりません。そんな思いがあって、リターン全てに農業体験を入れ、更に、2万円の収穫体験と30万円の栽培レクチャーを入れました。
私達は、様々な異なる条件の圃場でも一定の生産量を維持できる栽培マニュアルの確立を目指しています。そこに至るには、沢山の実践事例が必要です。指導者としてはまだまだ未熟すぎるかもしれませんが、私達はこれにも挑戦したいと考えています。挑戦とは一定のリスクを伴うものですが、それでも積極的に掴みにいくべきリスクがあると私は考えています。
クラファン終了まで残り18日!となりました。最後までこのプロジェクトへの賛同の輪が広がるよう私なりの発信を続けて参ります。皆様どうぞ引き続き、ご支援と拡散のご協力をお願い致します。そして、このプロジェクトの応援を引き続きよろしくお願いします。
次回の活動報告では、今年の11月19日開催の収穫イベントについて話をしたいと思います。