伊藤紗織(東京)が東京・京都からそれぞれピックアップされた3人の内側を探るリレーインタビュー企画。
第二回目は、東京チームで料理を担当する杉山茉珈奈(まかな)。
普段は明るいムードメーカーである彼女の、料理人としての一面に迫る。
「やっぴ〜!」
入店のベルの音に少し遅れて明るい声が近づいてきた。30度の最高気温にも負けない明朗さと星野サロンの仄暗い店内が混ざり合っていて少し不思議な感じがする。
注文したクラブハウスサンドウィッチを求め、キッチンに熱い視線を送っている彼女に構わず、私はマックブックを開いた。
ー もう本番まで一ヶ月を切っちゃったわけだけど今までやっきてたなかで思っていることはある?
まかな:料理人が、課題に関する料理を作ることで何になるんだろう、本当に形になるのかなっていうのはすごく考えるんだけど。やっぱ料理は自分のやりたいことを表現するわけじゃん。地球の問題を料理にするとかっていうのも結局は自己満足かもしれないけど、それでも料理人のあり方として「美味しさは勿論だけど自分のやりたいことを表現する」っていうのは大事かなってまかなは思うよ。
ー かっこいいね!…ん〜と料理チームはストラン研修や合宿で色々な経験をしたと思うんだけど、一番記憶に残っているのは?
まかな:てのしま!!本当にまかなはね、てのしまで感動したんだよ?
(てのしまのリンクや訪問した際の画像とか)
思い入れのある地へ、林さんがかけている思いとか、店内の細部へのこだわりとか、てのしまを構成する要素全てに感銘を受けたの!自分のやりたいことをとことん突き詰めるっていう姿勢に涙を浮かべました私は!
ー その姿勢にまかなは憧れたわけね。
まかな:そうですそうです…まかなの作りたい料理は想いが詰まっている料理なの。ほんと、そこにかける思いはシェフたちにも負けたくない。
ー となるとポップアップレストランでの料理に込めたい思いとかっていうのもはっきりあったりする?
まかな:まだ分からないっていうか、自分ごととして完璧に捉えきれてないし、ブルーキャンプも料理も、何が正解かってまだ自分で求めきれていないかな。
ー その正解の探究っていうのは妥協したくない?
まかな:うん。その一回限りだけじゃなくて、料理人としてのまかなのその先とか、そこからの原動力にも繋がっていくから…そもそも一回一回の食事はまかなが大切にしていることだし、当然ポップアップレストランも妥協したくない。美味しくないものを食べたら次の活動のエネルギーにならないじゃん。私は何かのエネルギーになれるくらいの力を秘めた料理を作りたいんだよねぇ…
ー 次の活動の活力になる「エネルギー」と気持ちを掻き立てるような「エネルギー」のどちらでもあるってこと?
そうだね!はい!両方料理に込めたいね!