島にはいくつかの集落があり、その中のひとつで今回子供たちと絞り染め体験を行いました。子どもと行う体験教室は毎回どんなことが起きるか予想がつかないので、どきどきわくわくしながら行いましたが、無事終えることができました。どうせやるなら本格的に、そして島の植物を使いたいねということで、伊江島にあるフクギと月桃、そして城山のふもとにあるコケを使いました。また、今回は化学薬品を一切使わないように、染める前の処理は豆乳で、合成染料なども使わず植物そのままの色を目指しました。本当は体験だったら失敗しないように濃染剤とか使えば間違いないのですが、子供たちに自然の不思議とありがたさを教える時に、化学薬品を使っていたら少し違うかなと思って、豆乳を使いました。これだったらお家でも手染め実験ができるかな、やってくれると嬉しい。とはいえ、毎回課題も出てきます。染める工程や色が変わるところは面白がってくれますが、染めている間の時間をどう埋めるのか、月桃など時期によって染料の乗り具合が違うので染めムラが出来てしまうこと、思った絞りが出来なくて少しがっかりした子など見ると、まだまだ反省すべくところは多いなと感じました。また、キッチンのある工房が稼働できれば染料作りなどももっと効率よくできるのにと少し悔しい気持ちもありつつ、とにかく事故もなく終われたことにホッとしています。今回体験してくれた子どもの中で、一人でも草木染めに興味をもってくれたら嬉しいなと思いながら、みんなの笑顔を見ていました。一番弟子である息子、子供たちを見張ってくれていました
7月某日、工房予定地の内壁の塗り直しを行いました。元はベニヤの壁元々の状態でも使用することができたのですが、このお家は雨漏りと湿気が溜まりやすいということが分かったので、珪藻土の内壁を施すことにしました。革製品やミシンを扱うことから、出来るだけ湿気は避けたく、どれほど効果があるのか分かりませんが、調湿作用のある珪藻土を使い、今回DIYで施工を始めました。初めての壁塗りは思った以上に重労働で、5日以上かかりました。ベニヤのままで良かったのではと、途中少し後悔しました。デコボコ、温かみのある壁と思えばそれはそれで・・・普段はエアコンはつけて、除湿器も常時可動すると丁度良い湿度になりそうです。この後は施工後の清掃をして、これから道具などを運んでいきます。さて、今回はなぜこの物件にしたのかについてお話します。ここ伊江島では物件探しというものが重大かつ頭を悩ませる問題のひとつでもあります。離島という限られた土地であること、ほとんどの物件が不動産屋を介さない個人オーナーであることから、移住者はもとより村民でも誰がどこの物件の所有者か全容が把握できず、また口コミで貸し借りが行われることも多いため、前の入居者が出る頃にはもう次の入居者が決まっているということもあります。空き家などの一軒家もありますが、誰が所有者か探すところが難しく、所有者が本島にいる場合、県外にいる場合、誰も住んでいないけど仏壇があるから他の人に住んでほしくないなど、様々な問題を抱えているのが現状です。私自身も1年以上前から工房の候補地を探していて、運よく見つかったのが今回の場所でした。何気なく妻が同僚に工房のことを話したところ、偶然にもその方が引っ越す予定だったようです。この機会を逃すと次にいつチャンスが巡ってくるか分からないので、すぐ入居を決めました。幸いなことに大家さんも工房で使うことを快く承諾していただき、内装のDIYなども許可を得ることができました。こういったタイミング、人と人とのつながりが本当に大切だなと思いました。